企業キャラクターが “会話する” 時代へ AIアバター「シオ」は顧客との関係をどう変えるか?

充電器やモバイルバッテリーなどを展開するCIOは2025年11月、自社サイトにAIアバター「シオ」を導入した。ECサイト画面上に現れるシオにテキストや音声で相談すると、会話を重ねながらユーザーに合った製品を提案してくれる。

写真 CIOのAIアバター「シオ」

CIOのAIアバター「シオ」。会話を通じて、顧客に合った製品を提案する。

「自分に合う製品がわからない」 AI接客の開発が始まった理由

開発に着手したのは同年6月ごろ。背景には、多くの選択肢の中から自分に合う製品を選ぶ難しさがあったと、シオの開発責任者を務めた石若亮太氏は話す。

写真 IO販売戦略部 石若亮太氏

CIO販売戦略部 石若亮太氏/大学卒業後、ショッピングセンターの開発・運営企業に入社し、会員マーケティングや新規顧客獲得施策の企画・運営に従事。その後CIOに入社。製品を起点とした顧客接点の設計やその仕組みづくりに注力。AIアバター「シオ」の開発・運営を担当。

充電器やモバイルバッテリーの市場には、見た目や用途、価格、性能などが異なる製品が数多くあり、その中から自分に合うものを見極めることは容易ではない。CIOとしては、そうした中でも一人ひとりに合った製品を見つけ、納得感を持って手にしていただきたいという思いがあった。

「以前から、お客さまに合った製品を提案したいという思いはありました。選択式の設問を設けて、自分に合う製品が導かれていく “選び分け診断” のような仕組みも検討しましたが、製品や利用シーンの組み合わせが複雑で、つくり切るのが難しかったんです。そこでAIを使えば、より適切な提案ができるのではないかと考えました」(石若氏)。

なぜチャットボットではなく「アバター」なのか

ただし、CIOが目指したのは、質問に答えるだけのAIチャットボットではない。リアル店舗で行っている「接客」をオンラインでも再現することだった。

同社の直営店では、単に商品を売るのではなく、客が何を求めているのか、何があればより便利になるのかを聞きながら、適した製品を提案する接客を重視している。

「まだ欲しいものが明確に決まっていないお客さまの思いを引き出しながら提案していく。そのコミュニケーションをECサイト上でも再現したかったんです」(石若氏)。

そのためシオでは、あらかじめCIOで用意した設問に選択式で回答する方式ではなく、自由に質問できる形式を採用。さらに、チャットボットのようなテキストのみのコミュニケーションではなく、表情を持ち、音声でも会話できるAIアバターとして実装した。

一方、石若氏自身は当初、「必ずしも、アバターにしなくてもいいのではないか」と考えていたという。

「チャットボットや問い合わせ窓口のようなボタンでも機能としては成立しますし、キャラが備わったアバターをつくれば、アバターの性格が会社のイメージにも結びついてしまう可能性もありますから。

それでも最終的には、接客に落とすことに着地しました。アバターを選んだのは、接客を実現するうえで、“コミュニケーションしたい” と思ってもらえる対象にしたいという考えたためです。これは、チャットボットでは実現しえないことだと思いました」(石若氏)。

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