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ネット広告に新時代の足音――DAC媒体説明会

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デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの矢嶋弘毅社長

「今後はクロスメディアとグローバルに注力する」(DAC・矢嶋弘毅社長、4日都内で開いた媒体説明会で)

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)は4日、都内で媒体説明会を開いた。DACの矢嶋弘毅社長は開会に先立ち「2010年は、インターネット広告で広告主の幅が広がったことと、新たな端末やソーシャルメディアが普及したことで、新しい幕開けを感じさせる年だった。そうした中でDACは今後、新端末を用いたマスメディアとインターネットの融合や、中国をはじめ海外消費者に向けたコミュニケーション施策の提供に努めたい」とあいさつした。

社外からは中国の検索エンジン大手「百度(バイドゥ)」日本法人の陳海騰(チン・カイトウ)駐日首席代表、コンデナスト・パブリケーションズ・ジャパンの北田淳社長、マイクロソフトの味澤将宏・セールス本部長兼スペシャリストセールス本部長、「セカイカメラ」を提供する頓智・(ドット)の佐藤僚・最高執行責任者らが参加、各社のメディア、サービスについてアピールした。DACは、スマートフォン(多機能携帯電話)や「iPad(アイパッド)」の利用者調査結果やWebサイトのソーシャル化について発表した。

中国向けにWebサイトの最適化を

バイドゥ日本法人 陳海騰・首席代表

中国大手の検索エンジン「百度(バイドゥ)」日本法人の陳海騰(チン・カイトウ)駐日主席代表は、対中国人マーケティングで「外資系企業の多くは、例えば政府高官と交渉する必要があるなどとの古い先入観のもと、唐突に中国に現地法人を設立してビジネスを始めるから失敗する」などと述べ、「Webサイトなら現地消費者はもちろん、観光客にもアプローチできる」と、その有用性を強調した。

陳代表は日本の中国語サイトについて「日本向けサイトを直訳しただけで、中国人が訪れても興味を引かれないものが多い」と舌鋒鋭い。日本政府観光局の観光誘致キャンペーン「YOKOSO JAPAN」大使の経験を持つ同氏は「例えば、観光案内のWebサイト。日本産牛肉なら神戸牛が最も認知度が高い。この背景を知らずに、宮崎県の方々は宮崎牛をただアピールしてしまう。宮崎牛と神戸牛は何が違うのかを訴えなくては。中国語のWebサイトを設けても中国人はアクセスしない」と指摘した。

また、バイドゥと他の検索エンジンの違いや、富裕層の属性の違いについても説明した。バイドゥの利点は「北京ダックがおいしいレストランはどこか」といった自然言語で検索できる点にあるという。「中国のユーザーはとても厳しい。入力したキーワードで望んだ検索結果が表示されないと二度と利用しないほど。日本人は、打ち込んだ言葉が間違っていると考えて何度も挑戦するが、文化が違う」(陳代表)

インターネットユーザーの多くは、1977年の経済改革以降に生まれた層。この年代は富裕層が多く、陳代表は「資産が1000万人民元(約1.2億円)に及ぶ層は約87万5000人おり、平均年齢は39歳。1億人民元に達する層でも平均年齢は43歳で5万5000人を数える」と紹介した。

「消費者との接点が一つになっていく」

矢嶋弘毅社長あいさつ

2010年はインターネット広告にとって、新たな幕開けを感じさせる年だった。従来の金融、自動車、化粧品・トイレタリーといった広告主に加えて、ファッションやサービス、プレミアムブランドからの出稿が増え始めた。「iPhone(アイフォーン)」やグーグルのアンドロイドOSを搭載したスマートフォン、タブレットPCに広告主が注目している。また、フェースブックやミクシィなどのソーシャルメディアへの関心の高まりも感じる。

DACは今後、「クロスメディア」と「グローバル」に注力する。従来からクロスメディアは声高に叫ばれているが、私の考えでは、プラットホーム自体が融合したサービスが今後盛んになる。例えばテレビでは、受像機のPC化、PCの受像機化が進み、動画コンテンツとインターネットの境がますます薄くなるだろう。雑誌も同様で、優良なコンテンツが紙媒体からタブレットPCへ移行していくだろう。こうした動きの中でのビジネス開発に努めたい。

グローバルでは、東京都内の商業地域で、中国人はじめアジアを中心とした海外客が多くなってきた。彼らの心を掴むことが売り上げの増大につながる。海外の消費者の心を掴むために最適なコミュニケーションを研究して提供する。(談)