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今だからこそ求められる文章力(3)―どうすれば強いコトバがつくれるか

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本連載は、2月15日に開講する「文章力養成講座」の開講にあわせて掲載します。

【連載】今だからこそ求められる文章力

佐々木圭一(コピーライター)

誰にでも、強いコトバはつくれる

コトバを書く時、話す時。もっといいコトバにできたらどれだけいいでしょう。だけど、その中でも、「感動するコトバ」は、つかみどころがなさそうに見えます。右脳的で、感情的で。突然天から降りてくる、偶然の産物のようにさえ感じられます。「感動」をつくるなんて、ありえないと感じられるかもしれません。だけど一般には知られていないレシピがあるのです。

2013年に上梓した『伝え方が9割』では、伝え方には技術があり共通のルールがあること、感動的なコトバはつくれること、そして形勢不利な勝負も逆転できる伝え方の超具体的な方法について綴りました。

この度、本書の内容をより実践的に取得したいという要望にお応えして、「文章力養成講座」の講師を務めることになりました。

宣伝会議が2月15日に開講する「文章力養成講座」

ここで学ぶのは、そのまま口でコトバを伝える場面だけではなく、メール、HP、企画書、メモなどすべてのコトバを使う場面で役立つ方法です。コピーライターや作詞家、作家はここでのレシピが日々の繰り返しの中で身につき、無意識のうちにやっています。一般の方でも、自分の経験の中でやられている方もいます。ですが、今まで「どうすれば、感動をつくれるか」を体系化してまで考えたことはなかったのではないでしょうか。

今まで、あなたも「凄くいいこと言った!」と思ったことがあるでしょう。ですが、それを毎回続けることは難しいはずです。私は、自分自身がどんなに体調が悪くても、どんなに時間がなくても、プロとして一定のレベルのコトバを書けるように技術を体系立てました。あなたがこの技術を使えば、プロとまったく同じとまでは言いませんが、今までの自分からは想像できない、ご家庭でできるプロの味をつくれるようになります。

同じ内容なのに、強いコトバと弱いコトバがある

例えば、

「AKB48のことを嫌いにならないでください」

より

「私のことは嫌いでも、AKB48のことは嫌いにならないでください」

のほうが強いコトバですよね。こちらは前田敦子さんの名言です。どちらも意味は同じAKB48のことを嫌いにならないでほしいということですが。つまり、同じ内容であっても、強いコトバと弱いコトバがあるのです。料理の素材となる内容ももちろん大切ですが、調理の仕方次第で旨い料理にも、そうでない料理にもなるのです。

コトバエネルギー

私は、「強いコトバ」を、人の感情を動かすエネルギーのあるコトバと捉えています。そのエネルギーのことを「コトバエネルギー」と呼びます。つかみどころのなさそうなコトバの強弱を、「エネルギー」と捉え直すことであやつることができるようになります。気になるコトバ、心に、記憶に残るコトバ、思わず文章の先を読みたくなるコトバを、意識してつくることができるようになります。

次ページ 「「強いコトバ」をつくる5つの技術」に続く



佐々木圭一(ささき・けいいち)

コピーライター
上智大学大学院を卒業後、博報堂を経て2014年独立。同年クリエイティブブティック「ウゴカス」を設立。コピーライティング、ブランディング、伝え方講演、コンサルティングなどを行う。米国の広告賞One Show Designで日本人初のゴールド賞を獲得。国際クリエイティブアワードのカンヌライオンズでシルバー賞他5つ獲得。郷ひろみ・CHEMISTRYの作詞家としてアルバム・オリコン1位を2度獲得。著書『伝え方が9割』は2013年ビジネス書ランキング1位(紀伊國屋書店新宿本店調べ)47万部。