【前回】「電通 髙崎卓馬×長久允×尾上永晃「拝啓、コンテンツつくってますか!?」(前編)」はこちら
CMの方法論で映画をつくる
髙崎:低予算で映画をつくると、演技がどうにも素人な人が紛れていたりするものだと思うんですが、「そうして私たちはプールに金魚を、」のキャストはみんな自然ですごいですね。
長久:僕は、演技の「不自然さ」が気になる原因って、音の間だと思っていて、だからそれは演者ではなく監督の責任が大きいと感じています。ビデオコンテをつくって、僕がセリフを読んだスピード感を守ってもらい、音の設計を崩さずに仕上げていきました。
ビデオコンテもそうですが、テレビCMの制作方法を取り入れています。一般的な映画では、そういうつくり方はしないかもしれません。
髙崎:2時間の長編でも同じ方法論でつくる?
長久:そうですね。賞をとって一番うれしかったのは、この物語運びや設計で次回作を撮っていいという保証ができたことです。だから、挑戦してみます。
髙崎:つくるときにスクリーンのサイズ感とスマートフォンのサイズ感とって意識したりしました?
長久:両方、意識しました。スマートフォンで見ても耐えられるスピード感や、スクリーンまでの距離感などですね。
髙崎:僕は最近、自分の仕事が昔に比べて、引き絵が少なくなっていることに気がついたんです。特に若い監督とつくったものが。自分の映像環境にスマホのサイズが自然に入り込んできているから、そういう変化の影響がいつの間にか起きているかもしれない。
尾上:スマートフォンだと距離感が大事だから「顔のアップ」を多用する、とYouTuberの人から聞いたことがあります。映画だと圧迫感がすごいのであんまりやらないですよね。それにユーザーがどこで離脱したのか、どういう評価をしたのか、反応を把握しやすいです。
こういった視点から映画のつくり方がどう変わっていくのかに興味があります。スマートフォンから得られる情報を参考にして、映画をつくるようになれば違う世界が見えてくるかもしれません。
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