人気IP「ちいかわ」のリアル店舗展開を担うキデイランド。その拠点となる「ちいかわらんど」は、単なる物販の場にとどまらず、ファンが作品世界に触れ、何度も訪れたくなる接点を生み出している。ちいかわの世界観をどのように店舗空間へ落とし込んでいるのか。キデイランド取締役/ちいかわらんど事業部 部長の岸本天氏に聞いた。
※本記事は月刊『販促会議』2026年8月号「IPと店舗デザイン」特集の記事です。本記事の全文や他記事は、月刊『販促会議』2026年8月号本誌、「販促会議デジタルマガジン」にてお読みいただけます。
ちいかわらんどは現在、全国で15店舗を展開している。6月19日には越谷レイクタウンに16店舗目をオープンし、出店エリアはさらに広がりを見せている。
2025年4月、キデイランド新宿店の2階に「ちいかわらんど新宿店」がオープンした。開店時には、ちいかわ・ハチワレ・うさぎも登場し、多くのファンでにぎわった。
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店舗の規模は、標準的な店舗で約35坪、大型店ではその倍にあたる約70坪ほど。ちいかわらんどは、もともとショップインショップとして始まったこともあり、初期は比較的コンパクトな売り場で、商品販売を中心としたつくりだった。しかし、来店者が増えるなかで、ゆっくり楽しんでもらう余地をつくりにくかったという。
そこで、新宿や池袋、原宿や梅田などの大型店では、商品を販売するだけでなく、店舗という空間そのものを楽しんでもらうことを重視している。
その方向性が表れている店舗のひとつが新宿店だ。通常であれば什器を置き、商品を陳列するスペースにも、あえて装飾やオブジェなどを取り入れることで、店舗全体でちいかわの世界観を体感できる空間を目指したと岸本氏は話す。
「最初の頃はどうしても売り場が狭く、お客さまに商品を買っていただくことで精いっぱいでした。ただ、ちいかわらんどとしては、買って終わりではなく、来て楽しんでいただける場所にしたいという思いがありました。新宿店では、本来なら商品や什器を置きたくなるスペースにも、あえて装飾やオブジェなどを配置することで、ファンがちいかわの世界を肌で感じ、作品のストーリーや場面を追体験できる空間を目指しています」(岸本氏)。
新宿店の入口から広がるのは、ちいかわの世界観を表現したアートやオブジェの数々。商品販売のためのスペースも活用して装飾や映像演出を展開し、来店者が作品世界に没入できる空間をつくり上げている。
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細部に隠された仕掛けをファンが見つけていく
岸本氏は、ちいかわというIPについて、「原作である漫画のストーリーや場面が強く支持されている点が特徴」と語る。キャラクター単体のかわいらしさだけでなく、漫画の中で見せる「あの表情」や「あのシーン」、その場面に至るまでの物語の文脈にファンが反応していることが、支持の大きな理由だという。また、作者・ナガノ氏による漫画の更新が続くことで、新しいアートや場面が生まれ、それが商品や店舗装飾にも反映されていく。
そのため店舗では、ぬいぐるみや雑貨を並べるだけでなく、原作ファンであれば思わず反応したくなるような、特定の漫画シーンを想起させるアートやフォトスポットを随所に配置。新宿店でも、来店者が漫画の場面やキャラクターの表情を思い出しながら店内を巡れるよう、装飾を施したと岸本氏は続ける。



