2026年3月にサントリービバレッジ&フードが発売した「ギルティ炭酸 NOPE(ノープ)」。若年層の流入減少や成長鈍化という炭酸市場の課題に対し、従来のフレーバー分類ではなく、「ひとりの時間でストレスを溶かす」という生活者の心理・行動パターンに着目した。そんな同商品の開発背景と、“ 背徳感”を味・デザイン・広告へと統合したマーケティング戦略について、同社 ブランドマーケティング本部の大槻拓海氏に話を聞いた。
※本記事は月刊『宣伝会議』11月号の特集1「いま改めて考える『インサイト』の正体。」の転載記事です。
※本記事は月刊『宣伝会議』11月号の特集1「いま改めて考える『インサイト』の正体。」の転載記事です。
ストレスを溶かすシーンに着目 味種から“気分・過ごし方”へ
炭酸飲料市場は全体として大きな規模を誇る一方で、近年は市場全体の成長が鈍化傾向にあり、特に20~ 30代を中心とする若年層の新規流入減少が業界共通の大きな課題となっていた。従来の炭酸飲料カテゴリーにおけるマーケティングは、コーラやラムネ、あるいは果汁炭酸といった「フレーバー(味種)」ごとの価値提案が中心であり、棚割りや商品開発もフレーバー軸で整理されることが一般的であった。
そうした既存の枠組みに対し、サントリーが見出したのが現代人のストレス構造の変化と、その解消に向けた日常的な過ごし方の変容である。サントリービバレッジ&フード ブランドマーケティング本部の大槻拓海氏は、企画の起点となった生活者洞察について、次のように語る。
「特に20 ~ 30代の若年層において、飲み会などで大勢集まって話すなかで一気に不満を発散させるような従来のスタイルだけでなく、自宅でひとりの時間に動画やゲームに没頭しながら気持ちをゆるめていくような、“ストレスを溶かす”とも言える過ごし方が広がっていることが見えてきました。NOPEは従来の味種で区切る商品作りではなく、こうした『ストレス溶解シーン』という生活者の気分や過ごし方に直接着目して立ち上げた新しいブランドです」。
発売時のグラフィック。「ギルティ炭酸」のテーマ、ブラック×マゼンタのブランドカラーとアイコンを軸に、すべての顧客接点で同一の世界観を徹底して連動させた。
過度な健康志向の反動として着目 「ギルティ消費」という深層心理
開発プロセスにおいて、同社が最も時間をかけて検証したのが、「ギルティ炭酸」というコンセプトに対する生活者の実ニーズである。夏場には毎週のように……、
…この続きは10月1日発売の月刊『宣伝会議』11月号で読むことができます。
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