「社長は説明上手、役員は…」、4回目のプルデンシャル会見に残る課題、専門家が指摘する「正しい説明が裏目に出る」ケースとは

社員・元社員による大規模な金銭不祥事をめぐり、プルデンシャル生命保険が10月8日に開いた記者会見。販売自粛中の指示違反や過去の経営責任などについて記者から厳しい質問が相次いだが、得丸博充社長が自ら回答を引き取り、場を収めようとする姿も見られた。

「広報勉強会@イフラボ」を主宰する、危機管理広報・謝罪会見アナリストの長沼史宏氏は、今回の会見を「全体として非常によく準備され、適切に運営された会見」と評価する。特に得丸社長の説明力を高く評価する一方、ほかの役員による補足説明が、かえって記者の追及を招く場面もあったと指摘した。

会見の運営や経営トップの受け答えには、どのような教訓があったのか。2月10日に開かれた2回目の記者会見についても分析した長沼氏に、4回目となる今回の会見を振り返ってもらった。

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10月8日に開催されたプルデンシャル生命保険の記者会見。調査結果や再発防止策について説明

役員の「正確な補足」が裏目に

今回、長沼氏が最も高く評価したのが、得丸社長の受け答えだった。

担当役員が事実関係を説明した後、記者の納得を得られていないと察すると、得丸社長が自ら説明を補足する場面が繰り返し見られた。

長沼氏は、担当役員と得丸社長の説明の違いについて、前者が「何が事実なのか」を中心に説明していたのに対し、後者は「その事実をどう理解するべきか」まで踏み込んでいたと分析する。

「経営トップに必要なのは、事実を知っていることだけではない。相手が納得できるように、その事実の意味を説明する能力である」と強調する。

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説明力の高さが目立った得丸社長

象徴的だったのが、販売自粛中に会社の指示に違反した37人のうち、33人が支社長だったことをめぐる質疑応答だ。

会社側の担当役員は、支社長33人が自ら保険を販売したわけではなく、会社の方針を誤認し、本来必要な承認手続きを経ずに部下の行為を承認したケースも含まれると説明した。

しかし、この補足を受けた記者は、管理職である支社長が会社の定めたルールを理解していなかったこと自体を問題視。「内部統制が崩壊している状態で、現経営陣に抜本的な改革ができるのか」と厳しく追及した。

長沼氏は、担当役員が事実関係を正確に説明しようとした意図は理解できるとしながらも、その説明が新たな疑問を生んだと指摘。「事実として正しい説明が、必ずしも適切な説明になるとは限らない」と話した。

この場面で得丸社長は、従来の営業管理職の役割が採用や育成に偏り、コンプライアンスや内部統制に関する教育が不十分だったことを認めた。その上で、営業管理職の役割の見直しや、新たな管理体制の整備について説明した。

長沼氏は、単に管理職の責任を説明するのではなく、問題が発生した組織的な背景と改善策を一体で示したことを評価。同じ事実でも、発生の背景や改善に向けた取り組みを併せて説明することで、受け手の理解は大きく変わるという。

厳しい追及に社長が「助け舟」

 

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