2016年は広告業界の曲がり角だった
2017年の春になりました。この春は見回すと、いろんな方がけっこう“移動”しています。きっとあなたの周りにも多いのではないでしょうか。変化を身近に感じる春です。たくさんの皆さんの一人ひとりの変化が、大きな変化をもたらそうとしています。
そんな変化の春から、このところ起こったことを振り返ってみると、2016年は大きな、大きな“曲がり角”だった気がします。気がしますというか、間違いないですね。はっきりと、パラダイムシフトが起こったのです。もっと言うと、何かが終わった、何かが始まった。そして、ひとつ大きな区切りがついた。
それを強く感じたのは、ちょっと言いにくいのですけど、電通の社長が辞任を表明したときです。12月28日でした。びっくりしましたね。十分世間からつべこべ言われて、もう禊(みそぎ)は済んだのではないかと思っていたら、社長が辞任までしなきゃいけないのかと。
それがちょうど、12月26日の「SMAP×SMAP」最終回と重なったもので、2016年も押し詰まって最後の最後にダメ押しされた気持ちになりました。
「電通鬼十則」も、ずいぶん叩かれましたよね。諸悪の根源みたいな言われ方。80年代後半に上から7番目だか8番目だかの広告代理店に入った私にも、当時のバリバリの営業の偉い人が教えてくれたものです。「電通にはな、鬼十則というのがあってだな」と。ライバル会社の社訓なのに、まるで自分の会社のことのようにドヤ顔で言っていて、「ああ、鬼十則は電通というより業界全体の家訓なんだな」と思ったものです。
