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コラム

ソーシャルメディア活用先進企業に聞く

【ソーシャルメディア活用(10)セガ】「労力に見合っているかどうかはこれからですね」

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(左から)三橋慶士さん、竹内真司さん、藤井睦弘さん

今回はユーチューブやニコニコ動画といった動画サービスを積極的に活用しているセガのコーポレート本部 プロモーション部 部長の竹内真司さん、副部長の三橋慶士さん、藤井睦弘さんに、開設予定のソーシャルメディア公式アカウントも含めてお話を伺いました。

ユーチューブに移したらアクセス10~1000倍に

――動画配信サービスを活用されたきっかけを教えてください。

藤井 最初に始めたのはユーチューブです。当時は自社でも「セガチャン」という動画配信サービスを運営しており、ユーチューブからセガの専用チャンネルを開設してセガチャンの動画を配信して欲しい、との依頼を受けたのが2007年のことでした。

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藤井 その当時からユーチューブは自分でも使っていたのですが、無料でもかなりの機能が用意されていたことに加え、アクセスも自社より圧倒的に多いことも体感でわかっていました。著作権の問題についても、動画のコピーを防ぐ技術も提供されるとのことで安心感がありましたね。

――実際にユーチューブを始められて手応えはありましたか。

藤井 当初の予定通りアクセスは大きく伸びました。伸び率で言うと高いものは1000倍くらい伸びた動画もありましたね。もともと自社配信の時から人気があった動画でも10倍くらいには伸びています。

――1000倍というのはすごい数ですね。どういった動画だったのでしょうか。

藤井 もともと家庭用ゲームやアーケードゲームは人気のある動画だったのですが、自社で運営しているアミューズメント施設のプロモーション動画などが想定外に伸びましたね。自社配信の時はセガに興味がある人が訪れていましたが、ユーチューブで配信することでセガのサイトには来ないけれど検索経由で動画にアクセスする、というユーザーも多く、結果としてより多くの方に動画をご覧いただけたと思います。

――逆にユーチューブ配信を初めて困ったことはありましたか。

藤井 我々が権利を持っている動画のコピーはアップロードできないという技術が実装されているため、著作権に関する心配はありませんでしたね。ネガティブなコメントの心配はありましたが、そうしたネガティブなコメント以上に視聴数が伸びたことのほうが我々には大きな成果でした。

また、苦労ではないですが、自社配信の頃に比べて動画の作り方は変わりました。自社配信の頃は動画ファイルを置いておくだけだったので、通信回線の環境を一番気にしていましたが、ユーチューブで配信する時はどの長さが一番見てもらえるのか、ビットレートが低くても美しい動画をいかに用意するか、という点に注力するようになりました。

ニコ動は見切り発車 結果で理解を得る

――その後ニコニコ動画も始められましたね。

藤井 ニコニコ動画を始めたのは半年くらい後のことです。ユーチューブでは実績を出していたのですが、ニコニコ動画の場合はユーチューブにはない心配がありました。

ユーチューブで実装していた著作権対策の技術はニコニコ動画にはありませんでしたし、コメント中心のニコニコ動画ではコメント内容への不安もありました。また、ニコニコ動画は動画の下に商品が表示されるのですが、他社の製品が表示されるのではないか、もしくは特定の会社の商品だけ表示されるが大丈夫か、という心配が営業側から寄せられていました。

――そうした課題はどのように理解してもらったのでしょうか。

藤井 説得はしたけれど納得はしていない、という状況で、どちらかというと見切り発車に近かったですね。慎重な意見も少なからずあったのですが、社長の決裁をもらってまずはやってみよう、という流れで開始しました。

――実際に始められてみて、そうした懸念はいかがでしたか。

藤井 ニコニコ動画は動画削除用のページを用意してくれたらすぐに削除できる体制になっていました。コメントについても「ニコニコ動画とはこういうものだ」とは理解してもらえましたし、よいコメントもたくさんついたので結果的には理解してもらえましたね。

――ユーチューブでの配信と比較して違いはありましたか。

藤井 動画の再生回数はさほどユーチューブと変わりませんでしたが、しばらくしてから「初音ミク -Project DIVA」のチャンネルを開設したことで視聴回数が伸びましたね。その頃に初音ミクの担当者が営業にかけあってOKをもらえたことで、ニコニコ市場も利用できるようになり、初音ミクの動画の下に「初音ミク -Project DIVA」を並べることができるようになりました。

 (次ページヘ続く