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五輪エンブレム当初案を公開 大会組織委

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佐野研二郎氏による当初案

佐野研二郎氏による当初案


修正過程として公開された案

修正過程として公開された案

東京五輪エンブレム審査問題で、デザイナーの佐野研二郎氏による当初案(写真上)が公開された。大会組織委員会は同案を元に商標調査を実施。似たようなデザインが見つかったため、佐野氏に複数回の修正を依頼していた(写真下)。

組織委は28日、記者会見を開き、東京五輪エンブレムの選考過程について説明した。出席者は理事・事務総長の武藤敏郎氏、マーケティング局長の槙英俊氏、エンブレムの審査委員代表を務めたグラフィックデザイナーの永井一正氏。

同組織委員会 武藤事務総長はエンブレムが原案から修正に至った過程を、次のように説明する。

「2位、3位の案と佐野案が決定的に違ったのは、会場装飾やグッズなどへの展開力。佐野さんの会見で公開されたアルファベットも、この時点で提案されていた。仮に次のステップ(調査)で修正を余儀なくされたとしても、佐野さん自身に修正をしてもらうことで完成を目指した。佐野案に決定後、IOCおよび同組織委員会の事前調査で、若干の類似する商標が確認された。同組織委員会ではIOCからのアドバイスを受け、このまま申請するのは難しいと考え、佐野さん本人にシンプルな形、色、展開案を活かす形で、当初の案の修正をお願いした」。

類似する商標があったものの、審査会での投票、議論の結果、佐野案が圧倒的な支持を得ていたため、2位、3位の案を採用する考えは当初からなかったという。

そして2か月後、佐野氏が完成させたのが、この修正案。全体に円が強調されたデザインで、安定性が高まった分、原案にあった躍動感がなくなった。そこで、同委員会は再度の修正を佐野氏に依頼。今年4月に、現在発表されている最終案が完成した。修正については、同組織委員会との打ち合わせ後、佐野氏自身がすべて手がけたという。

これを最終案として、正式な国際商標調査に入った。3ヵ月かけて46業種を調査した結果、類似のデザインがなかったため、IOC、IPCの承認、8名の審査員への確認と承諾(平野敬子氏のみ、「原案を選んだ」という理由で未承諾)を経て、7月24日の発表に至った。

今回、原案の公表が遅れた理由を武藤事務総長は、「ベルギー・リエージュ劇場から現在、IOCにエンブレム使用差し止めの訴状が出ている。この件についてはIOCが対応するため、我々の発言が訴訟等に影響を与える可能性があり公表できなかった。もっと早く説明をすべきだった。その点についてはお詫びしたい」と話している。

【修正履歴】
2015/08/28 19:30 本文の一部修正いたしました