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日本ロレアル、被災地支援で「移動式美容室」スタート

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日本ロレアルは、東日本大震災の被災地の人々を対象にヘアカットやヘアカラーといったサービスを提供するプロジェクト「美容師のちから“HAIRDRESSERS FOR HOPE/COIFFEURS DE L’ESPOIR”」を10月17日に開始する。

4月に開始した被災地復興支援プログラムの一環で、同社プロフェッショナルプロダクツ事業本部が主導する、全社をあげての取り組みだ。

本プロジェクトでは、まだ美容業を再開できていない現地の美容師と協力し、移動式美容室「ビューティーバス」で被災地域を巡回、ヘアケアサービスを展開する。バス車両は日産自動車が提供、バス内装や設備はタカラベルモントによるもの。
1カ所に4日以上滞在、毎週異なる地域への訪問を予定しており、1年で約1万5000人以上へのサービスが可能となる見込み。

9月27日に、プロジェクトで使用される移動式美容室「ビューティーバス」のお披露目会が開催された。日産自動車が車両を提供、
タカラベルモントが内装・設備で協力した。シャンプーブース1台、セット面2台が設置されており、1日で最大約60人を対象にサー
ビスを提供することができる。

宮城県美容業生活衛生同業組合(以下、宮城美容組合)によると、宮城県内だけでも、未だ業務を再開できていない美容師が約140人いる。このプロジェクトはそうした地元の美容師に、働く場を提供するという側面もある。

現地の人々への告知も含め、運営は宮城・岩手両県の美容業生活衛生同業組合や現地で活動するNGOの協力のもと行い、バスの運転手やコーディネーターは今後現地での雇用を検討している。最初の訪問地は宮城県気仙沼市に決定しているが、以降の訪問地は、現地の要望を聞きながら順次決定する。

この他にも同社は4月以降、「LOVE HANDS WITH TOHOKU(東北とともに)プログラム」のもと、さまざまな被災地復興支援に取り組んでいる。

4月上旬には社員による募金活動を開始。社員が現地に赴き、がれき撤去などを行うボランティア活動も実施している。また4月18日に、宮城県気仙沼市を中心に地元の美容師とともに出張ヘアカットを行った経験が、今回の「美容師のちから」プロジェクトの企画に活かされた。

さらに10月末には、集会所や公民館の多くが津波で流された宮城県石巻市にて、地域の人々が集まることができるコミュニティーカフェ「HANA荘」をオープンする。交流スペースとキッチン、インターネット回線を用意する予定で、現地のNGOと協力して準備を進めている。

「美容師のちから」プロジェクトのロゴ。 「希望」が花言葉であるガーベラがあしらわれている。 ロゴおよびバス外装のデザインは、マッキャンエリクソンが担当した。

「『美容師のちから』プロジェクトは、当面1年ほどの運営を予定しているが、その後の活動についてはまだ未定。他のプロジェクトも、一応の期限は決めているものの、状況によって柔軟に対応していく。被災地が復興するまで、当社としてできることを継続して実施していきたい」(同社コーポレート・コミュニケーション本部担当者)と話した。