コラム

原田朋のCHIAT\DAY滞在記 ~リー・クロウの下で365日~

なぜ、僕らはアメリカでソーシャル・キャンペーンを手がけられたのか。

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日米コピーライターの共通言語。

「日本でメジャーな作家というと誰なの?」ジェフが僕にきいた。「そうだなあ、ハルキ・ムラカミかな」僕は自分の好きな方から答えた。「彼はすばらしいね。オリジナルなスタイルを持っている。ワインド・アップ・バード・クロニクルで戦争中の歴史と交錯するところや、冒頭のスパゲッティをゆでているシーンって印象的だよね」ワインド・アップ・バード?ああ『ねじまき鳥クロニクル』か!『ノルウェイの森』も好きだと彼は言う。

村上春樹の作品が世界中で読まれていることは知識として知っていたが、外国人から実際に感想を聞くのは初めてだった。独特のメランコリックというかセンチメンタリズムを含んだ世界観は日本のある世代に深く響くものであるとなんとなく思い込んでいたので(自分に深く響いているから)、アメリカ人のコピーライターから褒め言葉をきいて初めて、世界のハルキ・ムラカミなんだと実感が持てた。

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ビーチにくると、西海岸にいるのだと実感する。気持ちいい。

僕らは会社からクルマで10分ほどのビーチに来ていた。ヴァイン(Vine)を使って撮影をするためだ。日本では拡がっていないが、ヴァインは6秒間のムービーをGIFアニメ感覚で共有できる、アメリカで拡散中のいま旬のソーシャル・アプリ。スマートフォンを使って簡単にストップ・モーション(コマ撮り)ムービーがつくれる。ソーシャル・メディアであり、ムービー撮影ツールでもあるわけだ。

ノゾミと僕のチームは、初めて自分たちのチームで手がけた仕事をアメリカの世に出そうとしていた。新商品のローンチにドライブをかけるソーシャルのキャンペーンを、ヴァインとインスタグラムを舞台に、TVをからめて展開する。インテグレート・スタイルのバックグラウンドを持つノゾミと僕らしい第一号だ。

ユーザーにムービーを投稿してもらうために、まずはブランド側でサンプルをつくって投げかけよう、ということで、僕たちはキャンペーンを設計してウェブサイトをつくるだけでなく、たくさんのムービーを企画し撮影することになった。ヴァインの中には、アーティストと呼んでもいいクオリティのユーザーが多数いて、すばらしい6秒のアートが毎日のようにアップされている。

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