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コラム

ニューヨーク突撃記 PARTY NYCの挑戦

世界中の「デジタルバカ」と出会う

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審査員は「敵キャラ」じゃなく「仲間」だった

しかしそれでも、私はデザイン賞や広告賞が大好きですし、毎年その動向に注目しています。審査も、本当に楽しませていただいています。こういった賞は言ってみれば「全世界伝え方選手権」です。学問の世界だとも言えます。「伝え方学」みたいなものです。

「今年はこういうことがあって、こういう新しい伝え方が発明されて、こんな感じで広がったよ。これからはこういう伝え方もアリなんじゃないか」みたいなことが受賞作品を通じて発表されていきます。思えば、あまり「伝える」用途で使われてこなかった新しい技術で何か新しい表現をつくって世の中を驚かせたりするのが楽しくて楽しくて、この商売をやっています。だから、プレイヤーとしても、「伝え方」研究者としても、インターネットの登場以降物凄い速度で変わっていく「伝え方」を目にして、触れることは本当に楽しいことなのです。

話をD&ADに戻します。世界中から集まった強者たちが、1つの部屋に閉じこもって1日中、3日間にわたって「デジタルデザイン」について語り合う、それが今回のD&ADの審査でした。

D&ADの審査風景。いい大人たちが、一生懸命デジタルデザインのことを考え続けています。

D&ADの審査風景。いい大人たちが、一生懸命デジタルデザインのことを考え続けています。

みんな、デジタルの世界でいろんな「伝え方」を模索してきた人たちです。強敵どころか、私にはエヴァンゲリオンのゼーレ(モノリスみたいな柱に意識が宿ってる感じのすごい悪そうな悪の親玉たちみたいなやつ)の会議のようにも見えます。「Wilderness Downtown」のフィルムディレクターもいます。「NIKE+FUELBAND」のクリエイティブディレクターもいます。あっと驚く「伝え方」を形にしてきた人たちが、1つの話題について延々と語り合っているのです。そして、私もその中に混ぜてもらっているのです。

私は、審査会の中で、最近自分が特に感じていることを伝えました。

ここ数年、SNSで拡散しやすいデジタルコンテンツばかりになってしまって、なんだかイヤになってきてしまった。Like数やTweet数とかYouTubeのView数とかはわかりやすい指標だけど、そんなのただの人数の足し算に過ぎなくって、見た人が「どれくらい好きか」とか「感動の深さ」とかは全然表現できていない。けど本来デジタルができることって、テレビCMとかに似た刹那的体験だけではなくて、インタラクティブだからこその突っ込んだ体験なわけであって、最近のデジタルコンテンツの薄っぺらさはどうにかしなきゃいけないと思う。

なんてことを言いました。どこまで伝わったかわかりませんが、近い立ち位置で同じような風景を見ている人たちです。1つの評価軸にはなってくれたような気がしています。

私はそこではっと気づきました。よくよく考えれば、すごいことなのです。当たり前なのですが、みんなこの領域に詳しくて、日々そればっかり考えている人たちなわけですから、特に前置きも無く共通の話題としてみんなでデジタルデザインのことをわかり合えるわけです。そこにいる人たちはみんな「デジタルデザイン大好きっ子」なのです。

自分が8年ちょっとの間、様々な敵キャラと勝負しながらずっとああでもないこうでもないとやってきたデジタルの世界、大好きなデジタルの世界について、こんなにも真剣に、こんなにも長時間話していられる人たち。プロとして、「伝え方」名人として認められているからこそ、この場にいる人たち。私だけではなく、みんないろんな勝負といろんな良いことや悪いことを経て、それぞれの少年漫画的ストーリーを経て、ここにやってきているのだなあと思ったのです。敵キャラというより、仲間なのです。

「ワンピース」のワンシーンみたいな体験

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