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コラム

ニューヨーク突撃記 PARTY NYCの挑戦

多様性はすぐそこにある

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突撃してみたら、楽しかった

このコラムの題名は「ニューヨーク突撃記」です。「ニューヨーク」って言ってしまうとそれはとても遠いところのように聞こえてしまいます。編集の方々も今回は「わざわざ遠いところに行って会社つくってジタバタしている人」というところに私の特殊性を見出して、依頼をいただいたのだろうと思います。

しかし、実際にニューヨークにやってきて、故郷と離れて生活してみたときに、東京とニューヨークの間に距離を感じることはあんまりないのです。インターネット的には1秒2秒の距離です。もともと人間、そんなに多くの人に実際に会うわけではありませんから、体感としてはニューヨークというよりは溝ノ口くらいのものです。時代が完全に変わったのです。しかも、私たちが生きている間に時代が変わったんです。

インターネットを語る際に良く言われることですが、クリック1つで世界中とコミュニケーションできる、というのは誇大表現でも何でもなく、事実です。これがどれだけヤバいことなのか。それはクリック1つ先のひどく近い距離に、世界中のいろんな場所で生まれたいろんな人種の人が生活している、ということです。インターネットによって、全人類がいきなり「多様性」の渦の中に放り込まれたのです。

第2回で、「日本は鎖国している」と書きました。やはり、言葉の問題が大きいと思います。日本人はとにかく英語が不得手なので、どうしてもその「多様性」な世界とコミュニケーションするのが難しい。しかし、日本以外の多くの国は既にその「多様性」とがっつり相対し始めていたりします。

しかし早晩、日本人も「多様性」の中で生活して行かざるを得なくなります(自動翻訳とかも、20年後には全然クオリティが上がっているはずですし、インターネットを使える人口もかなり増えてくるはず)。そうなったとき、実際に日本に来なくても、外国人はどんどん日本のビジネスや文化に突っ込んできますし、日本人も否応無く世界に引っ張り出されることになります。

なかなか面倒なのですが、時が経てば経つほど、そうなっていくはずです。だから、ニューヨークで仕事をするということは、そんな近い未来での生活をいち早く体験する、ということなのかもしれません。ビビる必要はないと思います。

こんな私でさえ無鉄砲に「突撃」してどうにかやっているのです。大変ですが、多様性の中で生きることは、本当に楽しい。楽しくて仕方がありません。必死こいてやらなければいけないぶん、生きてる感じがとてもします。

早いものでこの連載ももはや最終回です。連載をはじめたのが昨年の12月の末。ニューヨークに移ってから3カ月が過ぎたタイミングでした。この段階ではまだまだわからないことだらけで、英語もひどいものでしたし、ロクにものをつくって公開もできていない状況でした。

いつまでここにいるのかわかりませんが、1つだけわかっていることは、「まだまだ初期」ということです。やらなくてはならないことがまだまだ死ぬほどあります。

連載が終わる頃には9カ月。最終回に自分は何をここに書くことになるのだろうか、などと考えてきましたが、現時点で何かまとめるとなると、「突撃してみたら、とても楽しかった」ということになります。身もフタも無い結論ですが、結論としては、オススメです。

是非機会があれば、どんどん突っ込んでみてください。連載は今回で終わりますが、この「突撃」に特にゴールは設けていません。これからも毎日毎日いろんなわけのわからないことがあると思います。

何かをつくって発表したり、どこかに何か書いたりしているのを見かけたら、ぜひ話しかけてやってくださいませ。

※ちなみに、Moisesはベネズエラ人でした。彼もまた、突撃中なのです。

※連載『ニューヨーク突撃記 PARTY NYCの挑戦』は今回で終了です。
ご愛読ありがとうございました。