コラム

全広連名古屋大会 特集

中部の経済動向と愛知企業の戦略

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【前回のコラム】「記録と記憶に残る大会に——井戸義郎・名古屋大会事務局長(中日新聞社取締役)」はこちら

広告界最大級のイベント「全日本広告連盟大会」が今年5月、名古屋市で開かれ、62回の歴史で過去最大の1600人が来場しました。主催は広告界の業界団体である公益社団法人全日本広告連盟(全広連)です。この企画は、全広連と宣伝会議とのコラボレーションの一環で、名古屋大会のレポートや地域ごとの取り組みを紹介します。

愛知県を中心とする東海地域は「ものづくり」の地と言われるが、製造業に限らず様々な企業がそれぞれユニークな商品・サービスを提供している地域としても知られる。グローバルを見据える企業からインフラ、流通など地元密着の企業まで、愛知県には地元に本社を置き続ける企業が多いことも特徴。マーケティングや宣伝の責任者に今後のビジョンを聞いた。

愛知、静岡、三重、岐阜の東海4県の県内総生産額は61.7兆円と全国の12.4%を占める(2011年度)。人口は全国の11.8%(13年10月)。一方、製造品出荷額等(24.5%、12年)と輸出額(24.6%、13年)の全国比が高いのが特徴。4県の総生産額を産業別に見ると、製造業を中心とする第2次産業の構成比(34.8%)が全国(23.5%)に比べて高く、「生産拠点」としての性格が濃い。

東海財務局の「県内経済情勢報告」によると、愛知県内の景気について、「4月以降も新型車が下支えとなるなど、国内市場は堅調であり、計画より強めの生産台数となっている」(自動車関連メーカー)との声が聞かれるという。消費についても、4月以降は消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動減が見られるものの、緩やかに増加しているという。「4月は二ケタのマイナスとなっているが想定内であり、6月には戻ってくると見ている」(百貨店)。

各社のマーケティング・コミュニケーション部門の責任者のコメントを見ると、「制約の中にこそヒントがあると考え、医療広告にチャレンジしたい」(医療法人葵鐘会)といった意欲的な姿勢がうかがえる。新規参入が相次ぐ葬儀業界のティアは、「地域深耕型マーケティングによるマインドシェアの獲得を狙う」としている。

一方、コモディティー化が進む領域では、「いかに消費者の視点で製品を語るかがポイント」(ブラザー販売)と新たなメディア選定やコミュニケーション手法の開発を目指す企業は少なくない。

メディア・宣伝手法については、「新聞は価値の育成に最も有効な媒体」(ホーユー)との声があれば、「ネットとマスの両マーケティングを併用」(エイチーム)、「新たなPR手法へのチャレンジが全て」(バッファロー)と様々。「地元の学校への学習協力など、地域新興と製品PRの両立を図る」(青柳総本家)などCSRにもつながる地域貢献とマーケティング効果の双方を追求する傾向も増えそうだ。

次ページ 「マーケティング責任者に聞く」に続く

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