—ブランド側は、コンテンツをどのような視点で選んでいますか。
吉沢:消費者との結びつきが強いコンテンツであること。そしてファン層が我々のブランドのターゲットに合致していることです。また流通のバイヤーや店頭スタッフが、コンテンツのファンだということも、とても重要だと今回感じました。楽しんでサポートしてくれるので、ありがたいです。
立石:コンテンツを好きだと、やる気が仕事に表れますね。スケジュールがタイトでも頑張ってくれる広告会社の担当者に助けられたこともあります。嬉しいし、安心して任せられます。
吉沢:企画はブランド側が提案し、コンテンツ側が監修しますが、ブランド側は、企画で何をしたいのかを明確にし、コンテンツ側のどうすればファンが喜ぶかという視点と組み合わせることが重要だと思います。今回の動画では、爽快なシェービングを驚きとともに伝えることを目的としていました。コンテンツ側は、ファンに喜んでもらうために、じっくり長尺で見せたほうがいいという意向。一方で私たちは動画広告として使用することも考えていたため、1分くらいにまとめたかった。話し合いを重ね、基本は長尺で、追加でダイジェスト版をつくることに落ち着きました。結果的にはこれが良かったんですね。長尺の動画もファンが見てくれました。
立石:ブランド側から、データ分析に基づく説得力のある提案を頂戴しますが、我々は作家が面白いと思ったことは必ずファンがついてくるという信念を持っていて、データよりも優先して判断材料にしています。作品を面白いと思うファンは、作家と感性が似ていると思うのです。
─巨人はひげを剃られたかったという動画の筋書きは、作品には全くないものですが、よくOKが出ましたね。
立石:原作で巨人はひげを剃らないですし、エレンもミカサもひげを剃りに行ったりはしません。ただ作品中のキャラクターのあるべき姿を外していなければ、パロディは許容範囲です。ただ、こんなセリフは絶対言わないとか、こんな話し方はしないということには干渉します。巨人のひげを剃りに行くときにヘラヘラしていたらNGですが、真剣に立ち向かうなら世界観を崩していない。世界観をどうとらえるかは難しいのですが、例えば以前、巨人使ってみたいけれど、裸はまずいのでパンツはかせてよいですかという提案がありましたけど、これは無理でしょうね。
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