社員を変え、会社を伸ばすわが社の講座活用法⑨東愛知日産自動車

東愛知日産自動車代表取締役副社長青木宏将氏

若者の自動車離れもあり、苦戦を強いられている自動車業界。
そうした中で、ディーラーの東愛知日産自動車は、販促物による顧客との関係構築強化に活路を見出そうとしている。

東愛知日産自動車代表取締役副社長青木宏将氏

　
「いまの自動車業界は、価格訴求だけでは通用しません」。そう話すのは、愛知県有数の日産正規ディーラー、東愛知日産自動車の副社長青木宏将氏。
　
業界で主流となっていた値引き訴求が、効果を出さなくなっているのだ。「大事なのは、お客さまとの関係性の深さ。ただ、当社は関係構築のための知見をそれほど持っていませんでした」と青木氏。
　
そこで、同社では約4年前から外部セミナーを積極的に活用し、関係構築方法を模索してきた。しかし、きちんと自社の組織風土に吸収・習得しきれたとは言えず、試行錯誤の状態は続く。
　
「当社は、業界の流れに沿って長く価格訴求のスタイルで営業活動や販促を行ってきた会社です。そのため、それ以外の方法を提示されても、社員はいまいち腑に落ちきれていない様子でした。講座内容を難しいと感じた社員も多く、自分事化ができなかったんです」。
　
そうした中で、青木氏がたまたま受講した宣伝会議の「販促物のレスポンスを獲得するための1日集中セミナー」の講義内容に課題解決のヒントがあった。「講師の話の分かりやすさが印象的でした。顧客との関係構築や、販促物の反応率を高めるための難しい話も、日常的な言葉で簡単に説明してくれる。それでいて全ての内容が汎用性の高い、役に立つものでした」。
　
そこで後日、同セミナーを東愛知日産自動車用にカスタマイズしたものを受講。「効果を出すPOPの作り方」「顧客に伝わるDMの書き方」といったノウハウを学び、成果はすぐ表れた。
　
少し味気がなかったショールームはPOPで華やかになり、各自動車の特長がひと目で分かるようになった。また、効果的なDM作成方法が分かったことで、手書きDMを既存顧客に送付する社員が続出。「お客さまとの新たな接し方を知り、各社員が生き生きと楽しそうに各業務に取り組んでいる様子が嬉しかったです。また、管理職以外にリーダーシップを持って店舗をまとめようという社員が少ないという悩みもあったのですが、今回の販促物作りをきっかけに、現場でリーダーシップを発揮する社員が増えそうな気配も感じています」。
　
今後は、全員で良いDMを見て学ぶ時間を設け、現場に生まれた良い流れを促進していく。同社の販促活動が、どこまで進化を遂げていくのか楽しみだ。