今これを読まれている皆さんの会社ではどのような部署がデジタルマーケティングの運用を行っているでしょうか。マーケティング部門でしょうか、サイトの制作や編成を行っているチームでしょうか、それともシステム部門でしょうか。
デジタルマーケティングはその範囲が多岐にわたります。広告やコンテンツの作成、アプリの作成、システム開発…。そしてそれらを管理するのは、広告は広告宣伝部、サイトはWeb事業部、コマース部分はシステム部など、それぞれを違う部門が請け負っていることが多いのではないかと思います。
アドビシステムズ
グローバル サービス統括本部
コンサルティング サービス本部
DMSコンサルティング部 安西敬介氏
Webサイトの運用から始まり、スマートフォンの普及などによって急速に顧客と企業のタッチポイントが増えてきました。これに伴い、デジタルマーケティングという言葉のカバーする範囲も広がってきています。この動きに呼応し、バラバラと各部署で他の業務と兼任での対応が始まり、結果として先ほどのように関係部署は多いといったことになっているのです。
「いやいや、それに何の問題があるんだい。うちはツールも導入し各部門も順調に最適化が進んでいるよ」といった声が聞こえてくるかもしれません。確かにうまく進んでいるケースも沢山あると思います。しかし、関係部署が多く、自然発生的に始まっている場合、部署間のコミュニケーションは細かい施策や結果などは共有されておらず、お互いの部門のKGIやKPIといった数字だけが共有されていることがほとんどです。
結果として、各部門が最適化施策を実施、一見それがうまく行っている用に見えても、実際は個別に最適化しているだけで、全体最適につながらないケースが多くあるのです。獲得効果の高い広告への最適化、サイト内部の動線の最適、社内のニーズを整理しただけのメール配信など、それぞれのポイント、部署の数字に対して最適化が行われていたとしても、ビジネス全体をみた時に最適化は全体を統合したものにはなっていません。
「あれ、この会社からのメルマガは昨日も来てた気がするけど…」「広告のメッセージに惹かれてクリックしたけど、サイトで見つけられない…」といった経験は一度はあるかと思います。こういったケースも管理している部門が異なることで起きていることがほとんどです。
これにより顧客の行動も変化してきているのです。私どもの調査でも88%の人が「テレビ・新聞・雑誌を見て気になった商品の関連情報を、Web サイトで調べる」と回答しており、このような調査を通してもライフスタイルが変化してきていることが見て取れます。
これからのデジタルマーケティングでは、このようなタッチポイントの増加、ライフスタイルの変化に対応し、顧客とのタッチポイントを一貫して考え、コミュニケーションを組み立てていく必要がでてきています。いわゆるカスタマージャーニーを意識したコミュニケーションです。
そしてこのカスタマージャーニーを意識したコミュニケーションを実現するにあたり、これまで個別の部門で運用されていたものを統合し、一貫した戦略に基づいた施策を実施、その結果を共通のナレッジとして貯めていく必要があるのです。
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