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スタートアップ祭 CES2015を行く③—日本から出展中のロボット・スタートアップにインタビュー

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オリィ研究所所長 吉藤健太朗さんへのインタビュー

林:起業家の谷本忠駿さんからお話を聞いていて、一度お会いしてみたかったのでうれしいです。CESに出展してみてどうでしたか?
吉藤:デザインは思いのほか気に入っていただけたようで、非常に多くの方が立ち止まってくれていました。 また、兵士など離れて暮らしているご家族の話が聞けたりなど、同じ孤独のストレスでも違った観点、ケースを 見ることができました。

林:確かに軍隊は気付かなかったシチュエーションですね。デザインは能面からヒントを得ているそうですが、胎児というか宇宙人というか、独特のトーンがありますね。また、僕のやっていたnubotはスマホを顔にはめるので相手に映ってしまうけど、顔を映したくない人には声だけなのはいいですね。

スマホを使ったテレプレゼンスロボット 「nubot」

吉藤:人の感じ、という点では、手の動きをつけてからその人の動きがいる感じがだいぶ出ました。

林:ORIHIMEは今度どういう展開をしていきますか?
吉藤:身体が不自由など、離れて暮らしそこにいくことができない人が、本当にそこに一緒にいるような感覚をどうやったら作れるのか、今後も研究を続けていきますし、そのひとつの成果を今年中に形にして世の中に出したいと思っています。kickstarterなどにも出していきたいですね!

僕がこの2つのロボットについて話を聞いてみたいと思ったのは、ビジョンが明確にあるなと感じたからである。人はロボットを何となく作れるのではなく、「俺はロボット作るぞ!!」って思って作るものだと思う(まだ今は)。

ユカイ工学が新宿御苑のまだ小さなオフィスにぎゅうぎゅうだった頃、設計図やスケッチとあわせて、「ユカイ工学はユカイなロボットを作る会社」「ロボットで世の中をユカイにする会社」って壁に貼ってあった。
Apple的なしゅっとしたガジェットではなくて、目玉のおやじのガジェットだったり、今回のBOCCOだったり、生活の中に座敷わらし的に入り込んで家族の会話の媒介として賑やかになるような、楽しげで親しみやすいプロダクトを生み出していきたいというトーンがハッキリしていることで、周囲もわかりやすいしその夢に乗りやすい。

オリィも、ガジェットそのものではなくて、「ハンディキャップのある人が社会や友人と遠隔とつながれるようにする」ことに視点がはっきりと定まっていて、ロボットの外形だけではなく、室内からオリィを操作するiPad側のUIに神経が使われている。

もちろん、人間は欲望の生きものなので、理念だけでなく思わず購入したくなるための様々なこと(外形のかわいさとかバリュー感とか)が普及には大事だと思うけど、ユカイ工学西野さんが言っていたように、そのプロダクトを通して何を実現したいかハッキリしているものが中長期的に強いなと思った。

次ページ 「その他、日本関連では」へ続く