育児・介護休暇は最長6年 新しいワークスタイルを提案
2012年に開設された「サイボウズ式」。現在、月間35万PVを超える人気サイトとなっている。自社の商品について取り上げる企業サイトではなく、客観的な視座から、読者にとって魅力的なコンテンツを発信する。
2014年に公開した「サイボウズ式」のコンテンツの一つで人気になったのが「もしも年中スーツ姿の社長が、ZOZOTOWNで『ビフォーアフター』したら?」記事の中で社員の要望を受け、変身した青野氏(写真右)。
その後2008年には、その年に最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを表彰するアワード「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」を開始。2012年には「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイト「サイボウズ式」を開設した。
現在、「サイボウズ式」は企業のオウンドメディアでありながら、月間35万PVを超える人気サイトとなっている。「車の免許を持っている人がいなければ、クルマが売れないように、チームがなければ、グループウェアも真の意味では機能しない。そこで、良いチームについて考えていく活動も必要だと考えたためです」。
さらにチームワークを謳うには、自分たち社内のチームワークも高めることが必要だ。そう考えた青野氏は「より多くの人がより長く働ける会社」を目指して、新しいワークスタイルを次々と導入していく。
特にメディアでも大きく取り上げられたのが男性・女性問わず、最長6年取得できる「育児・介護休暇制度」。青野氏も2010年と2012年に2度の育児休暇を取得し、これもまた話題になった。その他、在宅勤務に「育自分休暇制度」(35歳以下の社員は転職、留学をしても最長で6年間は復帰が可能)など、多様な働き方を担保する制度を導入し、結果的に2005年に28%あった離職率も4%へと激減した。
「最近になって、チームワークと言えばサイボウズ、新しいワークスタイルと言えばサイボウズというイメージが急激に浸透したと感じています。2006年以降に実施してきた様々な活動が、やっと有機的につながり始めましたね」。
掲示板で、呟き続ける 大切なのは継続的な発信
その年に最もチームワークを発揮し、顕著な実績を残したチームを毎年「いいチームの日(11月26日)」に表彰するアワード「ベストチーム・オブ・ザ・イヤー」は2008年から開始。写真は2013年(上)と2014年の贈賞式の様子。テレビ、新聞などのメディアでも大きく取り上げられている。
10年近くに渡り、「世界中のチームワーク向上に貢献しよう」というビジョンを発信し続けてきた青野氏。氏が考えるトップの仕事とは、「皆が共感できるビジョンを発信し続けること」。
「社内の掲示板で、ぼそぼそと呟き続けることこそが、自分の仕事。ビジョンに共感した上で、自分の得意分野でチームワークの向上に貢献するための仕事をすればいい」と話す。
さらに青野氏は「すべての企業が売上、利益を優先する価値観だけに縛られる必要はないと思います。そもそもビジョンがあって、そのビジョンを具体化するために事業となり、継続していくために利益を出す必要が出てくる。今の社会の価値観は、考え方が真逆になっていると思います。でも、それではワクワクしないし、命を懸けるまで真剣になれない。働き方もそして会社の価値観ももっと多様になったらよいのではないかと思います」と話している。
青野慶久(サイボウズ 代表取締役社長)
1971年、愛媛県生まれ。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現・パナソニック)入社。BA・セキュリティシステム事業部営業企画部に在籍。1997年サイボウズを愛媛県・松山市に設立、2005年4月より現職。
会社概要
1997年創業。グループウェアの開発、販売、運用を手掛ける。従業員数は連結で409名、単体で295名(いずれも2013年12月末時点)。
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