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コラム

宣伝部の変革と復権-次世代マーケティング部への機能再編-

「送り手」のタイミングから「受け手」のタイミングへ——マーケティングコストのシフト

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分断状態を解消する

さて、本題に戻すと、企業の消費者とのコミュニケーションのタイミングを受け手である消費者のタイミングで行うべく、通期でのマーケティング活動にコストをシフトする流れは今年あたりから出てくると思われる。もちろん、キャンペーンをやめろというわけではない。一定以上の広告投下でピークをつくることは絶対必要(特に競合ブランドが多くのコミュニケーション投下をしている場合は)である。
しかし、より高くピークをつくることが目標ではない。従来より、情報量がはるかに多い現代では広告投下によるマインドシェアの減衰が激しく起こる。常にピークばかり意識すると広告予算がいくらあっても足りない。キャンペーン型だけでなく通期型の施策、特にターゲットの「兆し」をキャッチして個々のタイミングにコミュニケーションを行う次世代マーケティングコミュニケーションを実現すべく多様な試みを実践する時期に来ている。

ビッグデータは「打ち手」に使ってこそのビッグデータである。
企業マーケターは「マーケティング施策」を企画実施することでしか成果を得ることはできない。データドリブンに「マーケティング施策」を設計すること、これを「シナリオ設計」と呼ぶとすると、データと施策をつなぐ役割が本当に重要になってきている。

「施策」と「KPI」はコインの裏表である。
KPIを測定するには何らかの施策が必要で、施策によって測定できるKPIも変わる。データドリブンなマーケティングにはデータと施策の両方を扱える「シナリオ設計」人材がどうしても必要になってくる。その意味では、今のマーケティング課題である「フラグメンテーション」状況を解決しなければならない。
 
パソコン用語で「デフラグ」、「defragmentation」というのがあるが、分断状態を解消する役割というのが、今後マーケティング業界でも注目されるだろう。


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