AI、IoTなどマーケティングにおけるテクノロジーの活用への期待が高まった2016年。この流れは2017年、ますます加速しそうだ。IoTの浸透で多種多様な接点から、顧客の動向をデータとして取得し、AIを活用し、そのデータを統合・分析する。データ基点のマーケティングへと向かう流れは、不可逆なトレンドと言えるだろう。
ここ数年、データドリブンマーケティングを志向する中で、マーケティング、営業、コールセンターなど、部門別に分断していた顧客接点をデータ基点で統合し、シームレスで魅力的なブランド体験を実現させようとする動きは、国内企業でも出始めていた。IoTの登場で、顧客接点の数はさらに拡大する。
それら全ての接点を統合し、顧客の体験をマネジメントする仕事は、はたして従来の“マーケティング”という概念で捉えうるものなのか。
マーケティングあるいはマーケターという仕事の役割や求められるスキルを見直さざるを得ないほどの変革の時を迎えている。それはマス広告にネット広告が加わった。ペイドメディアだけでなく、トリプルメディアを網羅した戦略が必要……といったこれまで経験した変化のレベルを大きく超えるものと言えるだろう。
従来の延長では、捉えきれないマーケティングの世界観が出現しつつある今、組織やマネジメントの議論以上に重要になってくるのが、そこで働く一人ひとりの意識とスキルだ。
これまでデジタル変革は、経営や組織の観点で語られることが多かった。しかしマーケティング、宣伝、デジタルだけでなく、顧客と接点を持つそれ以外のどの部門から、この新しい世界のけん引役が登場してもおかしくない状況では、組織以上に新しい役割を担える「個人」の存在が重要になる。
『宣伝会議』は広告・コミュニケーションに携わってきた方々が、新しい時代のマーケティングにおいてもリーダーとなることを願い、また確信して2017年も広告界で働く方々一人ひとりのデジタルトランスフォーメーションを支援できる、知識と情報を発信していきたい。
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