全日本広告連盟(全広連)は10日、広告界の発展に貢献した個人や団体を顕彰する第5回「全広連日本宣伝賞」受賞者を発表した。「松下賞」は江崎勝久氏(江崎グリコ代表取締役社長)、「正力賞」は蓮見清一氏(宝島社代表取締役社長)、「吉田賞」は森田清氏(日本ABC協会会長)、「山名賞」は佐藤卓氏(グラフィックデザイナー)がそれぞれ受賞した。
「松下賞」の江崎氏は、広告を通じたロングセラー商品の価値向上に貢献してきたことや、大阪広告協会の理事長として地域広告界に貢献したことなどが評価された。大阪の風景としてもなじみ深い江崎グリコの看板広告「グリコサイン」は大阪の観光価値向上にも貢献している。
「正力賞」の蓮見氏は、多くの雑誌の販売が低迷する中、マーケティングを重視した新しい手法で、自社出版物の販売部数を大幅に引き上げ雑誌シェアナンバーワンに導いた。雑誌の広告媒体としての効果を高めたことに加え、インパクトのあるメッセージとビジュアルを使用した企業広告が広告賞を多数受賞したことも高く評価された。
「吉田賞」の森田氏は日本ABC協会会長として、透明性のある広告取引の推進に尽力した。発行社、広告主、広告会社による合理的な広告活動の実施に向けて、長年にわたり広告界の健全化に取り組んできた功績は大きく、受賞に至った。
「山名賞」を受賞した佐藤氏は、グラフィックデザインを中心に多岐にわたり活躍。近年は「21-21DESIGN SIGHT」のディレクターとして、「WATER」展、「デザインあ」展、「テマヒマ」展、「デザインの解剖」展などに取り組み、そのデザインの幅を広げる際立った活動が高く評価された。
全広連日本宣伝賞は、広告主、メディア、広告関連会社、クリエイターの4つの立場から、広告界の向上・発展に寄与した個人や団体を、それぞれ「松下賞」「正力賞」「吉田賞」「山名賞」として表彰する。日本宣伝クラブが昭和30年代から実施してきた「日本宣伝賞」を前身とし、全広連が2013年度から継承している。
贈賞は、5月17日に開かれる「第65回全日本広告連盟神戸大会」式典内で行う。
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