スーパーボウル2017を振り返る-スタートアップ企業も大健闘

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【5】ワインブランドが四半世紀ぶりにスーパーボウルに復活
Yellow Tail

2001年にリリースされ、世界中で愛飲されているオーストラリアのワインブランド「イエローテール」。誰もが気軽に楽しめることを目的につくられ、ビールやカクテルを好んで飲んでいた人をワイン市場へと引き込んだ新規顧客獲得戦略が注目されたブランドだ。

米アドエイジ誌によると、1980年代以降、スーパーボウルにワインカテゴリーの広告は出稿されておらず、実に四半世紀ぶりにワインブランドが復活を遂げたと言える。

大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブが、ビールのみならずアルコールカテゴリー全般を対象に競合広告を排除する契約をFOXと締結しているため、イエローテイルは国内70のローカルエリアのCM枠を買うことでスーパーボウル視聴者全体の85%をカバーするという異例の戦略に出た。

CMには、ブランドのアイコンでもあるロック・ワラビー(黄色い手足と尻尾が特徴だが、CMでは普通のカンガルーとして描かれている)が登場。パーティーやバーベキュー、ビーチなどさまざまなシチュエーションでイエローテイルが楽しめることをアピールした。

【6】究極のバトルの場で、“戦い”がテーマのモバイルゲームを訴求
Top Games「Battle of Evony」

2015年に設立されたビデオゲームパブリッシャーのTop Games。スーパーボウルへの出稿はこれが初めてだ。同社が提供するモバイル向けの戦略ゲーム「Evony: The King’s Return」のプロモーションを目的としたCMで、アーロン・エッカートやジェフリー・ディーン・モーガン、ファン・ビンビンといった俳優陣を起用した、映画のティザームービーのような仕上がりとなっている。

放送枠はハーフタイムショー直後の第3クォーターの時間帯。「スーパーボウルは、現代の“戦士”たちの力が試される究極のステージ。私たちの戦略ゲームをあらためて訴求する場としてふさわしいと考えた」と、Top GamesのCEOであるLu Lu氏はコメントしている。

スーパーボウ ルにおけるモバイルゲームの広告は、2015年の「ゲーム・オブ・ウォー」、2016年の「モバイル・ストライク」が成功を収めており、Top Gamesは これに続きたい考えだ。まだ設立間もない同社。今回のCMで注目を集めることで、同社が今後発表する新作ゲームに対する興味関心を喚起する狙いもある。

【7】リクルーティング広告に込められた言外のメッセージ
84 Lumber「The Journey Begins」

米国の人々の愛国心を掻き立てる国民的イベントであるスーパーボウル。特に今回はトランプ新大統領就任後初めての大会とあって、放映されるCMには政治的メッセージが込めれていると見られるものも多かったという。

住宅建材小売りの84 LumberのCMもそのひとつ。主人公は、メキシコから米国を目指す母娘だ。当初制作したCMには“米国とメキシコを隔てる壁”が直接的に描かれていたことから、放送局であるFOXの審査を通らず、問題シーンをカットしてオンエアに至ったという経緯がある。

CMの最後で「結末はJOURNEY84.COMで」と特設サイトに誘導し、当初制作した完全版「The Entire Journey」を公開している。映像の最後には「THE WILL TO SUCCEED IS ALWAYS WELCOME HERE.(ここでは、成功しようとする意思はいつでも歓迎される)」とのメッセージが表示される。同サイトには「Start Your Own Journey With Us」と書かれたコーナーもあり、同社のリクルーティングを目的としたブランド広告であったことがわかる。

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