コラム

アンバサダー視点のススメ

20世紀の成功体験から、21世紀のマーケティングは生まれづらい

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企業と顧客が「仲間」になって「一緒に」活動する時代へ

ヒントは、クリステンセンが著書を書いたのは21世紀が始まったばかりの2001年だという点にあるかも知れません。

それから現在までの最も大きな変化として、インターネットやソーシャルメディアの発展があります。今や顧客の一人ひとりがメディアを持ち、企業と直接コミュニケーションできる時代になっています。企業と顧客の関係のあり方は当時とは劇的に変わったのです。その影響として挙げられるのは、企業と顧客が以前より親しい関係になったことでしょう。その具体例として、企業が自社のファンと一緒に行う活動が挙げられます。

例えば、みなさんもご存知の「ポッキーの日ポッキー&プリッツの日」です。これは毎年11月11日を「ポッキーの日ポッキー&プリッツの日」として、グリコがファンに呼びかけ、みんなで一緒に盛り上がろうという企画です。当日は毎年ファンから多くの投稿が集まり、コンビニや大学の生協では、ポッキーやプリッツが売り切れたりするそうです。

あるいは、「い・ろ・は・す もも」の事例です。これは発売前にツイッター上でキャンペーンを行ったものですが、当選したユーザーが商品をツイッター上に一斉にアップしたことで話題が生まれ、発売日に商品が売り切れるお店も続出しました。

また、ネスレでは、「ネスカフェ アンバサダー」のみなさんと定期的にミーティングを行い、いろいろな意見交換を行っています。例えば、定期便の価格設定に関しても、アンバサダーのみなさんと一緒に議論を重ねて決めたそうです。ここで重要なのは、単にお客さまの意見を聞き入れるだけではない、企業とファンによる意見の交換が行われている点です。つまり企業とファンが一緒になって課題解決に向かっているのです。

これらの事例からわかるのは、企業という上位概念の下位に顧客が位置する一方通行の関係ではなく、企業と顧客が「一緒になって」何かを行う姿勢の重要性です。

企業のことを親身になって考えてくれるファンに仲間になってもらうメリットは数えきれないほどあります。例えば、フィードバックを商品やサービスの改善にいかす。商品開発に生かす。顧客とのミーティングを通じて自社を活性化させる、顧客のクチコミを新規顧客の獲得にいかす、などです。時にはファンだからこその苦言も行ってくれるでしょう。ファンと一緒に活動する中身は企業が決めていけばいいのです。

まずは、やってみることが大事。

時代は常に動いています。20世紀の成功体験にとらわれることなく、新しい考え方をどんどん取り入れていくことが企業を次の時代へ進めていくことになります。何も全てを転換させる必要はないのです。少しずつ実験的に取り入れていけばいいのです。

あなたの企業も自社のファンに仲間になってもらい、一緒にいろいろな活動を始めてみませんか。きっと大きな可能性が見えてくるはずです。

これからの企業発展には顧客との関係を深めることが必要です。『顧客視点の企業戦略 -アンバサダープログラム的思考-』は、企業とファンが一緒になって課題を解決したり、マーケティング活動を行ったりする方法論や事例について解説した書籍です。今までのマス・マーケティングに加えて無理なく実行できる点にも特徴があります。この機会に是非ともお買い求めください。

はじめに:「新たなる現実」を受け入れて、次へ向かう指標としての顧客視点/第1章:顧客視点がないと「マーケティング」ではない/第2章:マーケティングを顧客視点で組み替える/第3章:企業の目的は「顧客を創造する顧客」の創造である/第4章:顧客と一緒にマーケティングする/実践レポート:アンバサダーの体験設計(上田怜史)/第5章:アンバサダーが企業にもたらす変化/第6章:顧客視点経営がビジネスを変える

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