コラム

「広告」から「クリエイティビティ」へ【ACCプレミアムトーク】

ACC賞が名称変更、なぜ賞の名前から「CM」が消えたのか

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新部門「クリエイティブイノベーション」とは?

—次に「クリエイティブイノベーション部門」について教えてください。

井上 裕太(\QUANTUM Inc. Startup Studio事業責任者)

井上:この部門は、クリエイティビティとテクノロジーが組み合わさると「こんな新しいことが起きるの!?」ということを表彰する部門です。世の中を新しくするため、未来を良くするために取り組む方々がたくさんいるんですよね。

土橋:当社(トヨタ自動車)で言えば、KIROBOというコミュニケーションロボットを開発したんですよ。最初はゼロ歳児なんだけど、コミュニケーションを重ねるうちに小学1年生くらいまで成長して、話し相手になるんです。「どばちゃーん」「たまには自分で考えろよ」とか言ったりする(笑)。どんどん新しいイノベーションが生まれているので、クリエイティブのニーズがある。

嶋田 三四郎(博報堂DYメディアパートナーズ メディア・コンテンツビジネスセンター メディア・コンテンツクリエイティブ一部 部長)

嶋田:そんなクリエイティブも産業を支える一つの光です。ACCがそれを吸収する必要があります。

土橋:今は第4次産業革命の時だからね。そこにクリエイティブをどう組み合わせるか。おもしろいテーマですね。ACCの変革にあたってのシンボル的な賞になればと思っています。これまで広告の概念を拡張する試みをしてきましたが、この賞ではさらにその先に。広告的効果を問うことなく、クリエイティビティとテクノロジーの掛け算で新しいものが生み出された、その商品やサービスを表彰します。クリエイティビティがさらに使われる、皆さんの力をそこまで広げていきたい。業界の人材の活躍の場がさらに広がるような賞になればと思います。

—テクノロジーが絡むんですね。

井上:評価の基準は、そもそもビッグアイデアがそこにあるか、ということ。そこに対してテクノロジーや、新しいアプローチのビジネスデザインが掛け合わされているかということです。その掛け合わせこそが、まさに我々の言う「クリエイティブイノベーション」。ほかにもイノベーションやテクノロジーの賞はありますが、それらは収益性やユーザー数の多さが関わるビジネス寄りのものなんですね。この賞では、まだ売り上げるまで行っていないけれど、ものすごく大きなビジョンを持って、テクノロジーを掛け合わせることで形にしていることが重視されます。それはR&D(研究開発)の分野かもしれないし、ベンチャー企業のチャレンジかもしれない。

土橋:イノベーションというと、「テクノロジー×テクノロジー」の賞が多いんです。ACCのやるイノベーションは、「アイデア×テクノロジー」。

井上:ビッグアイデアとテクノロジーが掛け合わさった結果、どれだけインパクトが出るか。このインパクトの定義なんですよね。世の中に出たものでないと、インパクトを問うことはできないということもあるため、主軸としては、実際に発売されて、インパクトをユーザーが享受しているもの、もしくは発売直前で形になっているものを募ります。

それと同時に、まだ世の中に出ていない、発売前のものを評価することも検討しています。例えば大学で取り組んでいる、未来を見つめたプロトタイプや実験結果。そういうものが評価される場が、今はないんですよ。ものすごく新しい発想で、大きなインパクトを秘めた取り組みを評価したい。そういった活動に光を当て、評価することで、見る人が刺激されて新しいビジネスが起こるかもしれない。それはまさに「クリエイティビティで日本の産業をアップデートする」ACCの新しいビジョンに合致しますよね。

土橋:とはいえ、あまりに机上のものでは評価しきれないしね。

井上:はい、いくら鮮やかなアイデアでも、パワーポイントに書いて送ってくるだけでは評価対象になりません。それをしっかり、商品やサービス、プロトタイプなどに実装して形にしていること。それが次のインパクトにつながっていくと期待できるものが対象です。さまざまな分野の専門家の方々に審査を担っていただきます。審査委員長の暦本純一先生は、ビジネス面も、最先端テクノロジーもわかり、しかもクリエイティビティな側面で物事を行っている方。ほかにもテクノロジー面、ビジネス面、ストーリーテリング、マーケティング、クリエイティブに強い方々に入っていただき、それぞれの分野から「本当にクリエイティブなイノベーションか」を議論していきます。

井上 裕太(\QUANTUM Inc. Startup Studio事業責任者)

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