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データは囲い込みから共創へ — Criteoが掲げる、データ活用のオープンプラットフォーム構想

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2割弱にとどまる、日本のマーケターの対応

それでは、日本ではこうした環境に対する理解はどの程度進んでいるのだろうか。Criteoでは2017年3月に日本のマーケターのクロスデバイス対応に関する意識や実態を明らかにすることを目的に「デジタルマーケティングとクロスデバイスの現状」に関する調査を実施。今年1月に、その結果に同社の知見を生かした分析も加えて、レポートとして発表した。

「クロスデバイス対応の現状」を聞いた設問では、「クロスデバイスでのユーザーの行動を可視化し、分析できている」と回答した人は全体の17.2%にとどまった。「一部ではあるが、クロスデバイスでのユーザーの行動を可視化し、分析できている」と回答した人は43.9%にのぼったが、アレックス氏は「“一部”とは、PCとスマホで同一のIDを付与している、一部プラットフォーム内での対応にとどまっているという意味。

カスタマージャーニー全体の正しい測定ができない限り、購入までのユーザーの動きを理解できているとは言えない」と指摘する。

恵比寿にあるCriteoのオフィスにて。Alexander Kibets氏とマーケティング・スペシャリストの田坂 彬氏(右)。

参加企業がメリットを享受しあう、データのオープンプラットフォーム

しかし一企業だけの対応で、クロスデバイス正しくユーザー行動を分析することは難しい。そこでCriteoが提供するのが、前述の「Universal Match」だ。「Universal Match」は「Criteoダイナミックリターゲティング広告」に内包される機能で、参加する企業がデータを提供し合い、ユーザー分析の精度を高めていくというもの。

「『Universal Match』は参加する企業のユーザーを登録のメールアドレスで認識する仕組み。各企業のサイトにユーザーがログインしたタイミングで、メールアドレスを暗号化し、暗号化したデータのみCriteoのサーバーに飛ばして保存する。参加企業はこのデータプールを活用できるので、自社ユーザー以外も対象に、より精緻なクロスデバイス行動を把握した、広告配信が可能になる。Criteoが、グローバルで保持する膨大なCookieデータのうち、60%以上はすでにクロスデバイスで計測できている(アレックス氏)。」

「日本でも2017年5月30日の『改正個人情報保護法』の施行により、匿名加工されていればユーザーの同意がなくてもデータを利活用できる環境になり、広告主企業の理解は進んでいる」とアレックス氏。

法律上の懸案がなくなった次に来るのが、ビジネスジャッジのフェーズだ。「他社とデータを共有し合う、オープンプラットフォーム思想の浸透は、日本の企業ではこれからの段階。サードパーティにデータを提供して、メリットを得るという活動がまだ主流ではない日本で、この概念を広めていくことも重要な取り組みだと考えている」という。

IoTが浸透すれば、これまでの比ではなくデバイスの数は無数に増えていく。その状況でも1社でデータを囲い込んで、クロスデバイス対応が可能なのか。未来を見据えた判断が必要とされる。「いま、巨大なプラットフォーマーが経済圏をつくりあげ、そこがマーケティングの場として企業にメリットを提供するようになっている。

しかし、その場から効果は得ることができても、そこでのデータを企業が取得することはできない。Criteoはオープンプラットフォーム戦略で、参加する企業にデータを提供している。企業も、そしてユーザーも幸せになるクロスデバイス時代に対応した、私たちのプラットフォームにぜひ、参加する企業が増えれば」とアレックス氏は今後の展望を語った。

※本記事で一部、紹介したCriteoが国内571名の広告・マーケティング担当者を対象に行った調査をもとにまとめた、「デジタルマーケティングとクロスデバイスの現状」に関するレポートは、下記サイトより無料でダウンロードができます。


「デジタルマーケティングとクロスデバイスの現状について」http://www.criteo.com/jp/resources/japan-state-of-cross-device-report-2017/