コラム

椎木里佳の「JCJKの生態と欲望」研究所

広告の「嘘」を見抜いて嫌悪する。10代が広告に抱いている感覚って?

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『魔女の宅急便』をリメイクした、日清カップヌードルのコマーシャルが話題になっていました。

社会現象にまで発展した『君の名は』を彷彿とさせるような、甘酸っぱく爽やかな内容。青春をテーマに幅広い層をターゲットとして制作され、公開から1週間で公式動画は190万回再生され、話題性があるCMとなっていました。『魔女の宅急便』が放映された年には生まれてすらいない10代は、このCMをどのような目線で見ていたのでしょうか?

今回は、他の世代とは大きく異なる「10代が広告に抱いている感覚」についてお話ししていきます。

そもそも今の10代は、『魔女の宅急便』を見たことがない!?

日清食品カップヌードル「HUNGRY DAYS 魔女の宅急便 篇」より

「ジブリ作品を一度も見たことがない」という10代はいないかもしれません。しかし『千と千尋の神隠し』が放映されたのが、彼女達がまだ小学1年生以下の時。そもそも、それ以前のジブリ映画については、なんとなく内容は知っていても、きちんと見たことのある人は少ないのが実情です。

今回の『魔女の宅急便』に関しても、公開時期は1989年ですから、2000年代生まれの今の10代は生まれていません。彼女達は「魔女の宅急便がこんなに可愛いものになっているよ、すごい!」と言った懐古的な印象ではなく、全く別の新しい作品としてCMを楽しんでいます。

YouTubeを日常的に見ている今の10代は、コンテンツの時代性に括られずにレコメンドされたものを視聴します。そんな環境で育った10代は、ただ純粋に自分が良いと思えるものに反応するという鋭敏な感覚を持っています。

作品を見たことがなくても、魔女の宅急便の“リメイク”CMに共感したり、ハロウィンになると「キキ」の格好が可愛いからと、コスプレをするJCJKがいます。インターネットなどで時代を超えて作品に手が届く現代では、作品の全体像ではなく、切り取ったコンテンツが可愛いか、かっこいいか、クールかどうかなのです。

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