コラム

椎木里佳の「JCJKの生態と欲望」研究所

「写ルンです」に「おじさんLINEごっこ」。おじさん文化が若者にウケている?

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流行の発信は街からSNSへと移り、流行り廃りの速度はより早くなっています。
特に女子高生のトレンドの移り変わりはめまぐるしく、昨日流行ったものが明日にはもう古くなってしまいます。大人たちが追いつくころにはもう遅いことも多々。
そんな世代間のズレについて、今回は話していきます。

「写ルンです」の読み方を「シャるんです」だと思っていた!?

最近女子高生たちの間で、「写ルンです」が流行っていることは皆さんもうご存知ですよね。いまのiPhoneのカメラでは出せないフィルムならではの質感が「かわいい!」と大人気。現像にも時間がかかる「写ルンです」を購入して写真を撮る若者の姿がスタンダードとなりつつあります。

生まれた頃からデジタルカメラが主流だった10代の世代にとっては、現像するという行為も、その現像自体に時間がかかるという体験も新鮮なのに加え、レトロ画質がかわいいと好評です。

2012年には、需要の減少を理由に「写ルンです」の一部製品が生産中止になっていました。一時はデジタルへの時代の流れとともに、存続を危ぶまれていた「写ルンです」が、発売30周年の2016年にはインスタントカメラブームに火がついて、5倍以上の売れ行きになったとか。

そもそもそれまでインスタントカメラを見たこともなかった私たち世代にとっては、読み方さえ知らず、写ルンですの呼び方を「シャるんです」と私を含めて、周りの10代は思っていました。大人に言われるまで、誰も気づかなったほど。

ポラロイドカメラのチェキもイベントに欠かせない根強いブームですが、最近ではスマホで撮った写真を印刷できる「スマホ de チェキ」や、デジタルカメラの特徴を取り入れた「チェキスクエア」といったアナログとデジタルを掛け合わせた商品も多々開発されています。

カメラアプリにもインスタントカメラ風に撮れるものが人気になっていて、中でも面白いのが「Gudak Cam」という韓国のカメラアプリ。

(※Apple storeのスクリーンショットより)

フィルムがインスタント風に撮れるのはもちろん、撮影後3日間は現像期間として写真が見れないのが特徴。
デジタルの中でアナログな体験ができるのは新鮮で、App ストア有料カテゴリの上位をキープしつづけています。(2017年9月現在)

当コラムで今の10代は体験にお金をかける世代と度々述べていますが、「写ルンです」自体は800円ほど。写真に現像はしませんが、カメラ屋さんでデータとしてCD-ROMに焼いてもらうのにも1000円ほどかかり、無料でカメラアプリで写真が撮れる時代に「写ルンです」は決してコストパフォーマンスはよくないと大人は思うかもしれません。ですが、現像してCD-ROMに焼くという一連の体験を、新しいエンターテイメントとして捉えている若者にとっては、「写ルンです」への投資が決して高いものではないのです。

次ページ 「ジェネレーションギャップは、上手に描けばエンタメになる。」へ続く

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