ACCの今後の在るべき姿
山口:ACCは今後、人が集えて意見を言い合える、コミュニケーションのできるプラットフォームになっていただけたらと思います。みんな、つながりたいという思いを持っています。つながりやすい場をどうつくっていくか。
久保田:宣伝部長の横のつながりは、できているようでできていませんもんね。悩みが共有できるし、横につながると気づきがある。
もう一つ、4業種と幅のある団体なのだから、社会的課題に向き合えたらと思います。今の東京、日本で何が一番大きいテーマだろうかと、今年の行動目標など立てることができたら。企業なら、毎年あるじゃないですか。ACCが視座の高い団体だと捉えるならば、5年後の自分たちはこのように変わって、このように行動しようという。この頃のキーワードでいくと、“ダイバーシティとサステナビリティ”でしょうか。こういうことに対して「なんでそんなことやるの」と言う人はいないでしょう。企業や国はずっと取り組んでいることですし、ACCのような団体が「広告業界におけるダイバーシティ、サステナビリティとは」ということをテーマにするのはありかなと思います。
山口:業界の中にさまざまな課題がある中で、ACCとしては、と。
久保田:ほかの団体では、勉強会をすることはできても企業ごとにやりましょうとなってしまう。サステナブルと広告業界は近い存在にないかもしれないけど、企業は相当取り組んでいますから。バリューチェーンで見た時のコミュニケーション領域において、サステナブルについてどこまでのことを考えてやれますかと。物流なんかでは取り組まれているけど、この領域ではあまりされていません。そういうことを大きなテーマに掲げるというのも一つでは。
藤井:そうですね。「クリエイティビティ」を掲げたのだから、4団体にとどまらず新しい組織や新しい人たちにもっと開けたほうがいいと思います。新しい何かが入ってこないと、新しいことが始まらない。自分たち自身も変わっていくし、ACCももっとオープンにしていけたら。
山口:若い人たちから出ている新しいクリエイティブって本当におもしろいですよね。中高生が起業していろいろなものをつくり、真面目にソーシャルグッドに取り組んでいる。感性がおもしろいし、どんどん巻き込めたらと思います。
藤井:子どもの頃からもともとデジタルで生きてきていて、我々とは全然違うところで考えているということがありますね。世の中との接点が違う。僕らは世の中に背を向けて生きてきましたが(笑)、若い人たちは最初から、自分が世の中でいかにあるべきかというベースを持っていて、そこから生まれてくるものがある。
久保田:話はそれるかもしれないけど、例えばスノボなんか流行ではなく最初からトライアルとして取り組んでいて、若い人が中心で引っ張っていますよね。はじめから目覚めていて、技術を磨いてオリンピックで賞を獲っていく。そういう不断の努力で人間形成ができているから、話す内容もしっかりしていますよ。
山口:12歳からウィーンに行っていて、飛び級で16歳で大学院とかね。若い人にはバラエティがあっておもしろいですよ。大学生がブロックチェーンのテクノロジーを使ったアプリで、少ない金額でも募金の送金手数料がかからないものをつくって東南アジアに、とか。自分が大学生のころと比べたら……そういう志あるすごい人を取り込めたらいいですよね。
久保田:「僕らを取り込もうとしているな」と思われたらだめですね。我々が何をするのか。彼ら、彼女らの尊敬を受けられることを考えないと。彼らを応援する人々の中の一つに、本当の意味で能力を持ってACCが入っているのはすごくいいこと。その視点があるということ自体開かれていると言えますよね。
「「広告」から「クリエイティビティ」へ【ACCプレミアムトーク】」バックナンバー
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- 「広告のフロンティア拡張は今」中村勇吾さん×三菱自動車工業「雲海出現NAVI」チーム座談会 - 2018ACC賞ブランデッド・コミュニケーション部門 Aカテ(デジタル・エクスペリエンス)シルバー受賞作品(2019/6/17)
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