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「新しい日常」でも価値を持ちうるもの — 「僕たちの広告時代」によせて(谷山雅計)

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コピーライターという肩書をもった人には、上手と下手がいる。しかしレベルの差こそあれ、「コピーライター」であることに違いはない。一方で、広告の「営業」ほど、同じ名前で呼ばれているのに、ひとりひとりのあり方に決定的な差がある職業も珍しい。

間宮武美『僕たちの広告時代』宣伝会議
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歳を重ねても子供の使い以下も存在すれば、若くしてCDを超越した総合プロデューサーたりうる人物もいる。まさに、玉石混交。大先輩に向かってこう表現するのもかえって恐縮するが、間宮さんが広告の歴史の中でひときわ輝きを放つ「玉」のひとりであることは疑いようがない。

広告表現の全盛期と評されることもある80年代を中心にした、凄腕営業の一代記。いや、魅力的極まりない実在の登場人物とその名言が散りばめられた「広告三国志」とでも言うべき一冊だ。

「フェイス・トゥー・フェイス」で会うことの大切さを説いた中身が緊急事態宣言直前に発行されたことはちょっとした不運だが、語られていることは「新しい日常」でも必ず価値をもちうることだと感じる。全営業、というより、全クリエイター必読とあえておすすめしたい。

谷山雅計(たにやま・まさかず)氏
谷山広告 コピーライター/クリエイティブディレクター

1961年大阪府生まれ。博報堂を経て1997年谷山広告を設立。主な仕事は東洋水産「マルちゃん正麺」資生堂「TSUBAKI」東京ガス「ガス・パッ・チョ!」新潮文庫「Yonda?」ユニリーバ「採用の履歴書から顔写真をなくします。」など。主な著作に「広告コピーってこう書くんだ!読本」「広告コピーってこう書くんだ!相談室」(宣伝会議刊)。