コラム

“裏取りのプロ”テレビリサーチャーが語る『ファクト・フルネス』と『コンプライアンス』

コンプライアンスに役立てよう!「情報を扱うプロの3原則」

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アフターイメージの充実が、炎上回避の有効策

発信する情報が与える影響をイメージする—— ある人には面白くても、誰かを不快にさせることにならないか、その情報がどんな受けとめられ方をするか、と考えることは、コンプライアンスに直結します。

コンプライアンスの定義は冒頭述べた通りですが、テレビ番組の制作現場で「コンプラ(イアンス)」というときは、さらに射程が伸びて、視聴者に不快感を与えない表現・表象であることまでを含意しています。

「法律を守り、社会的常識や倫理を尊重すること」—— 内閣府にこそコンプライアンスが必要ですね、などと言うと、テレビだって偉そうなこと言えないだろ!とお叱りを受けそう・・・ですが、・・・たしかに、女性が「どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかって、スローガン的にかかげている時点で、何それ、時代遅れって感じ」と語る動画が物議を醸したことも記憶に新しいところですが、しっかり取り組んでいる番組もありますし、私は幸いなことに、ある大型特番で試みられて見事に成功したコンプライアンス・チェック体制に参加した経験があります(詳しくは次回お話ししますね)。

望まない「炎上」が引き起こされるのは、アフターイメージが不十分で、情報が与える影響が見誤れたときです。裏返せば、情報を発信する前にアフターイメージを充実させ、表現を変更するなどの対応ができれば、「炎上」は回避できます。

アフターイメージを充実させるには、2つのポイントがあります。1つは、情報として扱う事柄の周辺や背景まで知識が及んでいること、もう1つは、複数人で多角的にイメージすることです。

情報の裏取りをすることと、この表現が読者・視聴者らにどう受け止められるか、アフターイメージをふくらませることが、炎上回避のポイントだ。 ©123RF

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