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ブランド好意度を高めるのは、エッセンシャルワーカーに寄り添う視点(花王×東急エージェンシー)

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花王のトータルメンズケアブランド「サクセス」は、新たなブランド価値の創出と普及を目的に、宣伝会議が運営する「日本のメディア」を活用。東急エージェンシーの提案をもとに、エッセンシャルワーカーへの感謝とエールを込めた施策を展開した。駅員や乗務員など、帽子やヘルメットを被る機会が多い男性に着目し、その課題解決にマッチした広告がブランドへの信頼に結び付いた。
写真 人物 集合

「髪と頭皮を元気にする価値提案」を実現するためには?

消費財化学メーカーである花王は、衣類用洗剤や化粧品、オーラルケア商品など、多種多様な日用品ブランドを展開してきた。各ブランドの国内需要は大きく、洗剤やトイレタリーの国内シェアは第1位で、化粧品も第2位にランクインしている。1987年に誕生したトータルメンズケアブランド「サクセス」もこれまでに多くのファンを獲得しており、ユーザー数は約1,000万人という。特に「サクセス薬用シャンプー」は12年連続で男性用シャンプーのシェアNo.1の座に君臨。「サクセス薬用育毛トニック」についてもトップシェアを誇っている。

このようにロングセラー商品を多く開発し、市場リーダーとしての地位を確立していた「サクセス」だが、競合商品と比較して「爽快感」や「リフレッシュ」というイメージが先行し、「育毛効果の高さ」などの実用性に関するイメージが弱いことが近年の課題であった。また、発売当初は「サクセス」の「男性の清潔感や身だしなみ」に対するアプローチは珍しく、その点で独自性を創出していたが、昨今ではメンズケアブランドは他社でも数多く生み出されているため、アイデンティティとしては弱くなっているといえる。さらにブランドのユニセックス化が進んだことで、男性が男性向け商品以外にも目を向けるようになってきているため、ユーザーにとってのブランド価値も相対的に低下しつつある。このような生活者の価値観や市場環境の変化から、新たなブランド価値を創り出すことが必要だとサクセスチームは判断した。

そこで、これまでの「爽快感、清潔感、身だしなみを中心とした価値提案」というブランドの方向性からコア価値を見直し。「髪と頭皮を元気にする前向きな価値提案」を新機軸として、「サクセス」ならではの育毛を核とした価値の創出を図った。その一環としてロングセラー商品である「サクセス薬用シャンプー」と「サクセス薬用育毛トニック」について、新たなアプローチ方法を模索するように。

様々な施策を通して新たな価値伝達を試みる中で、意外性がありながらも正確な価値伝達を実現するプロモーションを求めて、宣伝会議が運営している「日本のメディア」のオファーサービスを活用。オリエンテーションで東急エージェンシーの事業展開の幅広さに活路を見出し、ブランド好意度の向上につながる取り組みができないか相談するに至った。

東急電鉄従業員への感謝とエールを広告に

実データ グラフィック

東急エージェンシーをはじめとした東急グループは「交通」「不動産」「生活サービス」「ホテル・リゾート」の4つの領域に事業展開を行っている。なかでも交通事業の中心を担う東急電鉄は東急グループを象徴する事業であることに加え、駅係員や乗務員には男性も多く、「サクセス」のターゲット層ともマッチする。以上の理由から、東急電鉄とのコラボレーション企画が始動した。

今回の施策では、メインターゲットを東急電鉄のインフラを支える現業に勤務する従業員に設定。東急電鉄の駅係員や乗務員は帽子、工務や車両、電気などの技術系職員はヘルメットの着用が基本となっており、特に夏場などでは汗やムレによって髪のベタつきや頭皮のかゆみを感じる人が多い。

現場からは「夜勤明けのシャワーが幸せ」という声も挙がっていたという。

そこで、2023年8月1日~31日にかけて、東急電鉄の各現業職場にある414箇所のシャワー室に「サクセス薬用シャンプー」と「サクセス薬用育毛トニック」を設置し、サクセスが提供する「髪と頭皮を元気にする」という

ブランド価値を東急電鉄従業員に体験してもらった。そしてこの活動をプレスリリースとして公開し、駅構内に掲出するポスターやデジタルサイネージとしても活用。コピーは、日々の交通を支える東急電鉄従業員への感謝やエールを下手に誇張せず、等身大のメッセージを送る内容としている。

社員に届く「温かみのある広告」

「サクセス」の商品は、すでにテレビCMとして全国放映されており、2023年9月には新たなブランドムービーも公開されている。このようなテレビやWebなどのメディアを大々的に活用した施策と比較すると、プレスリリースやポスターの掲出では、ブランド認知や販促に関する効果は高くないだろう。しかし、東急線沿線という特定エリアにおける“話題づくり”には成功したようだ。

本施策の広告クリエイティブは、撮影場所の選定から撮影・編集まで東急グループの社員が担当しており、ポスターのメインビジュアルも外部のモデルではなく、東急電鉄の駅係員を採用した。すると多くの従業員から反響があり、「知り合いがポスターに載っている」などの話題をきっかけに従業員同士の交流も生まれたという。エッセンシャルワーカーへのエールを込めた温かみのある広告が東急グループ社員および東急線ユーザーに届いたことで、「サクセス」に対するブランド好意度向上を実現した。

花王の担当者は本施策を振り返り、「東急グループのリソースや独自ルートの多さを実感できた」と満足感をあらわにした。また「今回は大々的にメディアで取り上げることはなかったので、次回はより盛り上がりの大きい取り組みを一緒に挑戦できればと考えている」。

東急エージェンシーの担当者も「東急グループ“ならでは”を大切にして今後も事業共創に努めていきたい」と次回以降の施策についてもお互いに前向きな姿勢を示している。

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株式会社宣伝会議「日本のメディア オファーサービス」プロジェクト
EMAIL:jpm@sendenkaigi.co.jp