100円ショップの機能を持つ「ローソンストア100」の商品開発本部デイリーユニット、宮永理恵ユニットマネジャーは、好きな具材を100円から選べる「100円おせち」を開発。おせちは具材ごとに好き嫌いが分かれる料理だが、同商品は好きな具材を自由に詰めて飾れるカスタマイズ性に注目。たとえば、全て「だて巻き」のおせちにするなど個々の好みに合わせたアレンジが可能だ。今年からは価格帯を広げ、エビやタコといった高級食材も用意。全種類をそろえても約5000円と、手頃な価格で楽しめる設計となっている。
取引先や関連企業にもメリットが行き渡る仕組みを構築した点も成功の理由の一つとしている。例として、だて巻きはしらすを扱う工場の閑散期を活用して製造することで、工場の稼働率を上げ、収入増に貢献している。顧客、取引先、工場関係者など、すべての関係者に利益が生まれる仕組みを構築したことが、「100円おせち」の成功を支えているという。
商品開発の成功要因として「ただひたすらお客様目線」のアプローチも挙げた。宮永氏自身が日常的に買い物をする主婦の立場を意識し、魅力的な商品とはどのようなものかを徹底的にシミュレーション。「この商品なら購入したい」と感じるものを追求し、顧客目線を最優先に商品づくりを心がけたという。開発の過程では、感覚や直感だけでなく、データや実際の売り場での第一印象を重視した。また、意見の偏りを避けるために、周囲の意見を積極的に取り入れ、顧客が求める商品とは何かを多角的に判断。顧客のニーズとデータを組み合わせた分析に基づいて最適な商品設計を行った。