マンガ 孫子・韓非子の思想(蔡志忠 著、野末陳平 監修/講談社)
人類の戦略の始祖と思われるのが、2500年前に活躍した軍事思想家、孫武による『孫子の兵法』です。英語では“The Art of War” といいます(拙著、『The Art of Marketing マーケティングの技法』のタイトルは本書にインスパイアされています)。原著は漢文で、現代文による解説書も多く刊行されていますが、一番のオススメは本書です。
風に訊け(開高健 著/集英社)
拙著『マーケティングの扉』は、敬愛する作家、開高健による本書へのオマージュでもあります。開高健は、もともと寿屋(現サントリー)のハウスエージェンシーのコピーライターが出自で、『巨人と玩具』といった高度経済成長期のマーケターを主人公とした短編なども書いています。グラスを片手にどうぞ。オモチロイですゾ。
戦術と指揮(松村劭 著/PHP研究所)
戦略立案に続くのは実行ですが、その実践においてとても重要な示唆を与えてくれるのが本書です。著者の松村劭は陸上自衛隊出身の軍事評論家で、意思決定や権限移譲の考え方、あるいは指揮権についての知見は、直接的にビジネスの現場にも適用できるでしょう。
勝敗の構造(大木毅 著/祥伝社)
第二次世界大戦の主要な戦闘を11章にわたって、最新の解釈や議論を概観できます。拙著で詳述している「戦略とは、目的達成のための資源利用の指針」という考え方を念頭に読んでみてください。歴史の解釈についても、「目的と資源」という視点を通すことで、さらに異なる側面が見えてくるかもしれません。
戦争論 レクラム版(カール・フォン・クラウゼヴィッツ 著/芙蓉書房出版)
東洋の『孫子の兵法』に対して、西洋でもっとも著名な軍事思想書だと思われるのが『戦争論』です。P. 70にある“クゥ・ドゥイユ(真実に導く知性)”、“クゥラージュ・デスプリ(果断の勇気)”、あるいは“戦場の霧”や“摩擦”などの諸概念は、ビジネスやマネジャーにとっても、非常に重要な概念であろうと思います。
イクサガミ(今村翔吾 著/講談社)
明治初期が舞台の大冒険時代活劇です。友人に勧められて読み始めましたが、剣豪、豪傑、数多の武芸者達が陸続と登場します。それぞれの戦い方を、「目的と資源」にもとづいて読み進めるのも楽しみ方のひとつかもしれません。夏に4巻目(完結?)が出て、晩秋には実写映像作品も完成するそうです。
飛行艇時代 映画『紅の豚』原作(宮崎駿 著/大日本絵画)
マーケティングの講義で、『紅の豚』のセリフ、「飛ばねぇ豚はただの豚だ」を英語に訳せ、という課題を出していたことがあります。pig、fly、not、justなどを辞書で引く人は稀ですが、pigの項にpigs might flyなんて慣用句があります。少し調べてみると思わぬ発見をすることがあります。マーケティングにも、大事な心構えかもしれません。