テレビや新聞、雑誌などから、デジタルメディア、SNSに至るまで、人々が情報を得る手段は多様化している。従来のマスメディアとオンライン上に次々生まれる次世代メディアの違いは、どこにあるのか。変わりゆく時代にはどんなニュースの伝え方が求められるのか。新聞記者や経済誌記者出身で、いま注目のデジタルメディアで活躍中の3人に聞いた。
- BuzzFeed Japan 創刊編集長 古田大輔
- ハフィントンポスト日本版 編集長 竹下隆一郎
- NewsPicks 企業・産業チーム 記者 後藤直義
この記事は、8月1日発売の月刊『広報会議』2016年9月号連載「次世代メディアのキーパーソンたち」の抜粋です。全文は本誌で読むことができます。
ネットメディアはまだ“夜の世界”
古田大輔 氏(BuzzFeed Japan 創刊編集長)
1977年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒業。朝日新聞社に入社し、京都総局、豊岡支局、社会部、アジア総局(バンコク)、シンガポール支局長、デジタル版の編集などを経て、2015年10月にBuzzFeed Japanによる新メディアの創刊編集長に就任。
1977年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒業。朝日新聞社に入社し、京都総局、豊岡支局、社会部、アジア総局(バンコク)、シンガポール支局長、デジタル版の編集などを経て、2015年10月にBuzzFeed Japanによる新メディアの創刊編集長に就任。
古田:
BuzzFeed Japan(バズフィード)はニュースからエンターテインメントまで、あらゆる分野を扱います。バズフィードの理念は、「ポジティブなインパクトを世の中に与える」こと。エンタメであれば、面白いものや人を感動させるストーリーならポジティブなインパクトを与えられます。また、世の中に知られていないことを知らしめることや、他のメディアがすでに報じている情報は書かないことも意識しています。
竹下:
ハフィントンポストは特に国際的なニュースを意識して、迅速な報道を心がけています。イギリスのEU離脱やアメリカの大統領選に関しても、ニュースの量は大手メディアに負けていません。切り口は、少数意見や個人の声を大事にするようにしています。
竹下隆一郎 氏(ハフィントンポスト日本版 編集長)
1979年生まれ。慶應義塾大法学部政治学科卒業後、朝日新聞社入社。東京本社経済部などを経て2013年からメディアラボ。2014年~2015年米スタンフォード大客員研究員。ビジネス開発のほか、報道の新しい形を模索。2016年5月1日から現職。
1979年生まれ。慶應義塾大法学部政治学科卒業後、朝日新聞社入社。東京本社経済部などを経て2013年からメディアラボ。2014年~2015年米スタンフォード大客員研究員。ビジネス開発のほか、報道の新しい形を模索。2016年5月1日から現職。
例えば、アメリカのオバマ大統領が広島を訪問したとき、ハフィントンポストはあえて記者を派遣しませんでした。その代わり、「人の心がどう動いたか」を捉えようと、SNSを駆使してある人物にインタビューをしました。それが
「祖父は原爆投下機に乗っていた。アリ・ビーザーさんが、広島から被爆者の声を届ける意味」
という記事。彼は原爆を落とした飛行機に乗っていた人物のお孫さんで、広島に来ていたのです。もちろんオバマ大統領や安倍首相が語った言葉や国際情勢への影響も大事ですが、個人としてどう思うのかを重視したということです。
