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企業の社会的価値を発信 BAKEの事業成長を支えるオウンドメディア

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2013年創業のBAKEは2015年、いち早くオウンドメディアを立ち上げた。企業認知と現在の事業拡大にもつながったという運営の背景について、社の成長過程とともに時系列を追って紹介した。製菓業のスタートアップとして、2013年に創業したBAKE(ベイク)。創業から6年で国内外に100店舗以上を出店し、現在はアルバイトスタッフを含めると従業員数は1200人を超える。

※本記事は2020年2月4日に行われた、宣伝会議主催のイベント「コーポレートブランディングカンファレンス~オウンドメディア&SNS運用編~」内での講演をレポートしたものです。

知名度ゼロから逆転の発想

同社は「お菓子を、進化させる。」をミッションステートメントに、個性を追求した様々なブランドを展開。

2014年にオープンした焼きたてチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」を皮切りに、シュークリーム専門店「CROQUANTCHOU ZAKUZAKU(クロッカンシュー ザクザク)」、焼きたてカスタードアップルパイ専門店「RINGO」、バターサンド専門店「PRESS BUTTER SAND」、焼きたてスイートポテトパイ専門店「POGG(ポグ)」、ガトーショコラ専門店「Chocolaphil(ショコラフィル)」といったように、1ブランド1商品にこだわり、6つの専門店業態を運営している。

「BAKE CHEESE TART」「RINGO」など、6つの専門店業態を運営。

「ビジネスモデルひとつとっても、すべて逆転の発想が起点。有名パティシエが在籍しているわけでもなく、大手企業が運営しているわけでもない私たちは、知名度もないところからのスタート。そこで強みにしたのが、1ブランド1プロダクトの専門店業態でした。そして、焼きたての商品を提供できる工房一体型の店舗にすることで、商品だけでなく、体験そのものを提供しようと考えました」。

そう語るのは、同社の広報室長を務める北村萌氏。多種多様な商品を並べ、華やかなショーケースを構える一般的なパティスリーとは一線を画すビジネスモデルだが、商品を絞り込むことで味を追求できる。焼きたての提供により商品ロスが発生しないことから効率も高いという。

失敗談も隠さず積極的に発信

同社が運営する「THE BAKE MAGAZINE」も、このような“逆転の発想”から2015年に生まれたオウンドメディアだ(図1)。

出所/BAKE

立ち上げ期には、SNSで多くのフォロワーを持つ塩谷舞氏を外部から編集長として迎えた。その発信力を武器に、積極的に自社の情報を公開していった。「名も知れないスタートアップだったので、社内の出来事や商品に対する思い入れなど、純度高く自社の紹介を発信した」という時期だ。

当時は、業界内でオウンドメディアを運営している企業は数えるほど。そんな状況下に、製菓業界でありながらITベンチャー企業のような手法でアプローチしたことで、他社との差別化につながり企業認知も広がった。

BAKEが店舗数を増やし、企業として急成長を遂げた2016年から2017年には、オウンドメディアの発信内容にも変化が見えた。「当時はオウンドメディアとしても成長期に入っていたので、自社ニュースだけではなく、サイエンスやITツール、編集のノウハウといった世のなかの興味関心ごとなども広く発信していました」と北村氏。新たに3人のインハウスエディターが中心となる体制に移行したこともあり、実現した。

さらに、開設当初からアーカイブしていたコンテンツの波及効果が見え始めたのも、この時期。「日々の業務内容などを、失敗談も交えながら発信してきたことが採用広報につながっていきました。社内の働くモチベーションの向上にも寄与したと思います」。

次ページ 「メディア閉鎖も考えた成長期」へ続く