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はじめての方でも簡単!広報動画制作のステップ 入門編

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「YouTubeチャンネルの開設を指示された」「リモートワーク中の社員にトップのメッセージを届けたい」など、昨今、急に広報担当者が、動画制作を迫られるケースをよく聞きます。“何から手を付けていいか分からない” 状況になっている担当者に、初心者でも取り組みやすい、撮影・編集のポイントをご紹介します。

※本記事は2022年3月1日発売の『広報会議』4月号で掲載した記事の一部を転載したものです。

佐久間智之(さくま・ともゆき)

PRDESIGN JAPAN代表取締役。自治体広報日本一に導いた元公務員。現在は広報アドバイザーとして全国の自治体や企業をサポート。各地でデザインや広報、動画作成などの研修講師を行う。著書に『PowerPointからPR動画まで!公務員の動画作成術』『やさしくわかる! 公務員のためのSNS活用の教科書』。

 

Q 動画をつくるときに知っておくとよいことはどんなことですか?

A 「自分が見たいと思う動画をつくる」ことと
「ベンチマークの動画を探してウォッチする」の2点です。

自分が見たいと思う動画でないと、つくっていても楽しくないですし、他の人も見たいと思いません。そして自分がよく見る動画、好きな動画、つくる動画の方向性に似ている動画を探してベンチマークし、観察・分析します。どのタイミングでSEを出しているか、いつ配信しているか、サムネイルは何かなど、ヒントが沢山隠されています。

 

STEP1 動画撮影の前に

目的・ターゲットを明確に

まず、なぜ動画でなければいけないのかを考え、現状の課題を洗い出します。例えば写真と比較した場合、音や動きを表現できるなどのメリットがあり、それをどのように活かすのかを考えます。

さらにどんな人に動画を見てもらいたいのか、見た後にどう行動変容につなげられるのかまで考えます。このとき、具体的にリーチしたい人を年齢・性別・趣味などを絞り込むマーケティング手法、「ペルソナ設定」がおすすめです。

一方、今のトレンドはとにかく短い動画が好まれます。最初の3秒が非常に重要です。企画段階で冒頭3秒をどのような構成にするのかがポイントです。

企画出し・絵コンテ

必要なシーンやセリフなど漏れがないように確認することも重要なポイントです。これらを解決する方法が「絵コンテ」をつくること。

絵コンテは動画の流れや必要なシーンなどを全体を俯瞰して見られる大事な設計図です。これまで説明した動画をつくるポイントや目的を踏まえて絵コンテを書いていきます。絵コンテをつくるメリットは自分だけではなく他の人も動画全体のイメージを持つことができるので、出演者がいても安心。また編集も効率的に作業することができます。

絵コンテは、まず、内容とセリフ・ナレーションを考えて入れていく。次にラフの絵を書き、全体のイメージをつかみ、どんなシーンが必要なのかを見える化していく。

 


 

STEP2 動画を撮影してみよう

準備するもの

撮影の前に準備しておきたい機材についても触れておきたいと思います。

手振れを防ぐためにインタビューの撮影時などには三脚を使います。また、ジンバルで、歩いているときのブレを防ぐこともできます。

ライトもあると非常に便利です。スマホでライトをオンにすることはできますが、直撃過ぎて自然な光になりませんし、一方向に限られます。

そこで、コンパクトライトを当てることで適量な光で明るくすることができます。非常に安価で手に入れられて、コンパクトで携帯性に優れているのでおすすめです。

また、スマホ内臓のマイクよりも外付けのものの方が音がクリアに拾えるので、インタビューのときはマイクを用意しておくのが無難です。

歩いたり、走ったりする映像でも手ブレを防ぐジンバル(画像左)や、三脚、マイク、ライトなど、最低限安定した映像を補填する機材は用意しておこう。

動画撮影のポイント

パターン❶ 店舗紹介やイベント紹介の場合

お店の雰囲気を動画にするときは、外観・看板・商品の3つシーンを押さえます。自分がお客さんとして初めてのお店に訪れるイメージです。

イベント紹介のときは「全体→参加者に近づく→手元や表情をアップ」の順で撮ります。外観や全体が1フレームで入りきらない場合は高さは上から下(ティルトダウン)へ、横長の場合は左右に振ります(パン)。

またこのとき、録画する長さに大きなポイントがあります。それはワンカットの録画時間を3~5秒にすること。サムネイルでどのシーンか分かるのとデータ負担を軽減すること、後で切り取りする手間を省くためです。

3つの視点を押さえておけば、視聴者が雰囲気や全体像を掴みやすくなる。徐々に近づいていくイメージで撮影しよう。

 
パターン❷ インタビューの場合

インタビューのときは「目線」が重要。正面と目線そらしでは印象が全く異なります。見ている人に直接訴求するときは正面、相手に語らせるときは目線を外します。また、照明は正面ではなく斜め45度から当てて陰陽をつけます。

動画を見ている人に語りかけるメッセージを伝えたいときや解説、見ている人に訴えかけたいときはカメラ目線に。

インタビュアーに語りかける臨場感を伝えたいときや想いを語るときにはカメラから目線を外して撮影。

人物に光を当てるときは原則は斜め上から。シリアスにしたいときは真横から当てて陰陽をはっきりさせる(レンブラント)方法がある。

―本記事の続きは『広報会議』2022年4月号に掲載しています。
 
<この後解説の項目>
●STEP③ 編集のポイント
・おすすめのスマホ動画アプリ
・BGM、SEのポイント
・シーンをつなぐ効果
・YouTubeサムネイルのポイント
●バズる、見られる動画のコツは?

 

『広報会議』2022年4月号

【特集】
“一体感”が崩れる、その前に
インターナル広報

 
GUIDE1
「動画」を活用するメリットは?
広報が考えるべきコストと効果
瀧 良太(LOCUS 代表取締役)
 
GUIDE2
動画投稿プラットフォーム別使い分け
大谷和利(テクノロジー・ジャーナリスト)
 
COLUMN
Z世代に響くコンテンツとは?
椎木里佳(SNSトレンドマーケティング協会代表理事)
 
【特集2】YouTube、TikTok
直感的に伝わる投稿動画
ケーススタディ

 
CASE① くら寿司「178イナバニュース」
従業員の個性活かした内容で
メディアからも取材依頼
 
CASE② 三陽工業「おじさんTikTok」
役員らの「若者の気持ちを知りたい! 」
という想いが結実した動画施策
 
CASE③ 広島県 公式TikTok
「読む」から「見る」広報へ転じ
若者向けコロナ対策
 
CASE④ 物質・材料研究機構(NIMS)「まてりある’s eye」
面白さが分かりにくい“地味にすごい”魅力
実験室で起きる“感動体験”をYouTubeで
 
【特集3】
はじめての「動画」広報
データ分析・著作権の基本

 
次回作に活かす効果測定
より良い動画にするための
改善点を見つけるデータ分析
木村健人(動画屋 代表取締役)
 
これは著作権法上、グレー?それとも違法か
動画制作の前に一読しておきたい
著作権に関するQ&Aを専門家が解説
大本康志(弁護士)