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地元ネタ特化バラエティ『福岡くん。』Pが語る、共感を呼ぶ切り口

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『広報会議』では、毎月の連載企画として、企業や自治体のオウンドメディアや社内報づくりの裏側、危機管理に関するコラムなど、広報業務の糸口となる事例を様々な切り口から掲載しています。今回は、ローカルで人気なメディアについて紹介する連載「地域メディアの現場から」について、FBS福岡放送『地元検証バラエティ福岡くん。』の事例を紹介します。

※本記事では『広報会議』2023年5月号(4月1日発売)「取材がグンと増える 上手い広報が実践していること」掲載記事の一部を公開します。

『地元検証バラエティ 福岡くん。』(FBS福岡放送)は、福岡県民でも見落としているような地元のネタを根掘り葉掘り検証するバラエティ番組だ。例えば、福岡県民におなじみの米菓店「もち吉」の食べ終わった四角い缶に、何を入れて再利用しているかを県民300人に調査して1時間にわたり特集。

FBS福岡放送『地元検証バラエティ 福岡くん。』。福岡、佐賀、長崎のエリアで毎週日曜 12時35分~13時30分に放送している。出演者は斉藤優(パラシュート部隊)、伊藤舞(FBS福岡放送アナウンサー)。

 
まさに番組コンセプトである「福岡県民以外は1ミリも面白くないバラエティ」を体現している。ターゲットは福岡県民。家族揃ってリアルタイムで楽しんでもらえる番組を目指している。

企画・演出・プロデューサーの羽田野雅裕氏は「もち吉のカンカンに狙いをつけるというのは、他県の人からしたら絶対に思いつかない企画だと思います。“新しい情報”に飛びついていくよりも、地元の人間が制作しているからこそ気付ける“新しい切り口”をできる限り織り込んで構成するようにしています」と語る。

同番組は県民の深い共感を呼び、2022年の年間平均世帯視聴率は12.0%、個人7.0%(ビデオリサーチ調べ・北部九州地区)と日曜昼の番組とは思えない高視聴率を獲得している。

取り上げるネタの探し方は、視聴者から寄せられる調査依頼やSNS、スタッフが街で見つけたこと、スタッフ間の雑談・口コミなど多岐にわたる。「もち吉のカンカン」の企画は、「各家庭にあのカンカン絶対あるよね」「自分の家はこんなものを入れていた」といった雑談のなかで生まれた。

「ネタの提案時などもあまり否定から入らないように心がけて、制作会議のなかではスタッフにも『ネタは本当に何でもいいよ』という話をよくしています。ちょっと気になったことがあればすぐにカメラを持って取材へ。どんなネタでもフットワーク軽く企画にできるのはローカル局ならではの良さかもしれません」。

羽田野氏は、同局の夕方の情報番組『めんたいワイド』担当時に送られてくるプレスリリースをくまなく見ていたと語る。本取材に先立ち、同番組に寄せられた約500通から印象に残ったものをピックアップしてもらった。

最も印象に残ったのは家庭用の日用雑貨メーカーの花粉対策グッズのリリースだという。4枚1組で構成されているが、見出しや1~2ページ目に商品名は出てこない。花粉の飛散状況などの客観的データののち、3枚目でやっと…

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