フジテレビジョンは7月7日、ドラマ『夫婦別姓刑事』の制作をめぐる一連の報道について、詳細な説明文書を公表した。同社は7月2日にもコメントを出していたが、佐藤二朗側が反論する中で、SNS上では憶測や誹謗中傷が拡大。今回の文書では、出演前の情報共有、3月22日の撮影時の接触、3月23日の説明、4月8日の楽屋訪問と発言、外部弁護士の評価、撮影継続の判断までを詳細に説明した。
2025年1月27日のフジテレビ会見で謝罪した、前代表取締役会長の嘉納修治氏
7月2日のコメントでは、「男性俳優の言動について、厳重注意を行うとともに、再発防止を求めたことは事実」と認めた一方、詳細は伏せていた。これに対し、今回の7月7日声明では、フジテレビが何を問題視したのか、外部弁護士がどのように評価したのか、制作側がどのような環境調整を行ったのかを具体的に示した。
7月2日の初動について、アステリア 執行役員 コミュニケーション本部長で、広報勉強会@イフラボ主宰の長沼史宏氏は「報道姿勢が定まらない中で仕方なく回答したのではないか」「本来であればプレスリリースで一斉に説明すべきだった」と指摘していた。その5日後に出された今回の詳細声明は、危機管理広報として適切だったのか。改めて長沼氏に聞いた。
「公表したこと自体は評価」も、経緯説明に終始
長沼氏は、今回の7月7日声明について、リリースを公表したこと自体は評価できると見る。前回の記事で長沼氏は、7月2日のコメントについて、個別メディアへの回答ではなく、プレスリリースとして一斉に説明すべきだったこと、また、関係者の足並みがそろわないまま一部事実を認めたことで、かえって報道価値を高めた可能性があることを指摘していた。
実際、7月2日のコメントでは説明が足りず、憶測や誹謗中傷も広がっていた。そうした中で、フジテレビが公式文書として一定の経緯を示したことは、前回の指摘に照らしても前進といえる。
一方で、長沼氏は、今回の声明が全体として、これまでの経緯や状況説明に終始している印象を受けたとも指摘する。文書を出したことは評価しつつも、危機管理広報としては改善できた点がいくつもあったという。
