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コラム

since 1963 コピーライターの登竜門!第50回 宣伝会議賞 特設コンテンツ

【若手コピーライターが語る醍醐味(5)】阿部広太郎さん「宣伝会議賞にはチャンスしかありません」

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「宣伝会議」9月1日号から期間限定で連載が始まった「若手コピーライターが語る!宣伝会議賞の“醍醐味”とは?」。誌面ではスペースの都合上、泣く泣く割愛した質問に対する回答を毎週紹介します。5人目は、TCC・OCC新人賞、CCN賞を受賞した阿部広太郎さんです。

阿部さんの宣伝会議賞の応募歴を教えてください。

人事時代/2008年 応募数25本   →一次通過0本
CR1年目/2009年 応募数約200本  →一次通過3本
CR2年目/2010年 応募数約1800本 →一次通過37本、二次通過1本
CR3年目/2011年 応募数2223本   →一次通過44本、二次通過4本、最終ノミネート1本、協賛企業賞1本

人事時代

阿部広太郎

宣伝会議賞の時期は、ちょうどクリエーティブ試験に向けて、クリエーティブディレクターから課題を出してもらっていました。宣伝会議賞の存在は学生の時から知っていましたが、まったく自分とは関係のないものだと思っていました。コピーなんて、自分に書ける訳ないと思っていましたし、応募している友人を「がんばってね」と応援している立場でした。宣伝会議賞が、他人事じゃなくなって、その時に書いた25本。一次通過が発表される2月1日。わくわくしながら本屋にいって、どきどきしながらページをめくる。そこには僕の名前はありませんでした。悔しかった、というより、そんな甘いもんじゃないよな、そりゃそうだよな、と『宣伝会議』をそっと閉じて、棚に戻しました。

CR1年目
コピーライターになって数カ月。当然、そうすんなりとコピーが書ける訳がありません。当然、自分が書いたコピーも世に出ません。その時の自分なりの精一杯で取り組んだこの年の宣伝会議賞。通過は、たったの、3本。やっぱり悔しい。でも『SKAT』を見て、自分の書いたコピーと、自分の名前が載っている。そのことがすごくうれしく、励みになった記憶があります。

CR2年目
どうしてもコピーがうまくなりたくて、宣伝会議の「コピーライター養成講座専門クラス」に通いました。しかし、クラスの卒業制作で結果を残すことはできませんでした。「ぜったい宣伝会議賞でリベンジするんだ」。そんな気持ちでチャレンジした3回目の応募。講座で学んだことを生かし、これまでとは比べられないくらい書く本数も増やしました。それでも、受賞にはつながりません。現実は、コピーの世界は、そんなに甘くない。そして、結果が出ないことがすこし恐くもなりました。

CR3年目
『SKAT』を使って、自分のコピーを徹底的に研究しました。これまで応募してきた、自分のコピーが、なぜ残らなかったのか。なぜ残ったのか。自分に足りない視点を確認しながら。自分が書きたいコピーは何なのか考えながら。締切の一分前まで、とにかくたくさん書きました。質は量からしか生まれない。そう信じて。協賛企業賞受賞の連絡をもらった日が、いまでも忘れられません。

広告賞へのチャレンジによって阿部さんが得たものとは。

自分の広告を知ってもらうこと、自分の名前を知ってもらうこと。広告賞は、誰かに見つけてもらうためにあるのだと思います。入社1年目で、朝日広告賞に入賞した時、「面白いことやってるね」と声を掛けてくれる人がいました。CR3年目で、協賛企業賞をいただいた時、賞などを獲った時は、「がんばってるね」と声を掛けてくれる人がいました。「阿部くんに手伝ってもらいたい」と新しい仕事に呼んでもらったこともあります。数多くいるコピーライターの中から、自分を見つけてもらうことができる。宣伝会議賞に真剣に向き合って、たくさん考えて、たくさん書く。そうすれば、選ばれたコピーは、『SKAT』に載ります。それを見てくれている人はぜったいにいます。書いた努力はひとつもムダになりません。書けば、次につながる反省ができます。後悔ができます。書いたことで見える景色がたくさんあると思います。

阿部さんが考える「宣伝会議賞」の面白さ、醍醐味とは。

一年に一度。プロもアマも関係なく、言葉で勝負できる場。それが宣伝会議賞だと思います。宣伝会議賞にはチャンスしかありません。書けば書くほど、賞に近づく。たとえ賞が獲れなくても、自分しか掴みとれない何かがあります。宣伝会議賞はコピー書き放題です。正直、すこし残念ではありますが、今年はひとつの課題につき30本まで。でも、その条件は、みんないっしょです。コピーを書いて、悩んで、書いて。悩んで、選んで。悩んで、磨いて。その膨大な試行錯誤は、必ず自分の力になると思います。

宣伝会議賞はまだ出会ってないコピーに出会う場です。自分の中の言葉の原石を掘り起こして、コピーにする。自分の書いた、自分の好きな、お気に入りのコピーが、誰かの心を揺らすのはすごくうれしくてすごく心地よいことだと思います。

応募するのも、応募しないのも、自由。いやいや書くなら応募する必要なんてないと思います。それでも、『SKAT』を読んで、無性にわくわくしちゃうような、コピーが好きで、良いコピーが書きたい人は、応募するのが良いと思います。僕も応募資格を失うまで応募しつづけます。

最後に今後の目標について聞かせてください。

ひとりの人にすごく特別になる広告をつくりたい。優しさや切なさや哀しさや可笑しさを感じる、ドキドキする広告をつくりたい。そのために、僕ができること。みずみずしい言葉を表現するために、ひたすらに言葉の技術を磨くことだと思っています。

あべ・こうたろう
電通 第2CRプランニング局 コピーライター。2008年入社。初任配属は人事局。新入社員研修や、講演会の運営を担当。1年目の最後に受けたクリエーティブ試験に合格し、コピーライターに。クライアントに、花王「アタックNeo」、ナガセグループ「東進ハイスクール」、「四谷大塚」、ホクト、キッコーマン、Daddy’s Dining Cafeなど。コピーライター養成講座で出会った3人で「うわのそらたち」を結成。電子書籍を刊行。ブログを中心に活動中。


【バックナンバー】

『宣伝会議賞』
日本最大規模の公募広告賞「宣伝会議賞」は第50回を迎えます。1963年にスタート以来、広告界で活躍する一流のコピーライターのほか、糸井重里さん、林真理子さんといった著名な書き手を輩出してきました。50回目となる今回は50社の協賛企業から課題が出されており、第一線で活躍する100人のクリエイターが応募作品を審査します。課題は9月1日発売『宣伝会議』本誌にて発表、2012年10月31日が締め切りとなります。

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