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コラム

33歳、現場プロデューサーが考えるエージェンシーの未来

現業で生まれつつあるプロジェクトの芽を選別して育てる。―放送作家・構成作家を核としたコンテンツ開発プロジェクト「Cha-noma」のプロデュース―

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今回から数回、具体的なプロジェクトや事業の立ち上げについて書いていきたいと思います。まずは、4月1日付けで発足したプロジェクト「Cha-noma」についてです。

Cha-nomaとは、大広と、PR会社のキーノート エスティーワン、放送作家・構成作家を擁する番組制作会社のイエローの3社で、広告とPRを融合させたコンテンツの制作・発信を手掛けるプロジェクトです。
最大のユニークネスは、放送作家・構成作家が主体となってコンテンツを制作する点です。日々、生活者を楽しませるために、面白いことを考え、分かりやすさを追求し、ザッピングと戦っている作家の方々との業務はとてもエキサイティングです。また、個人の方と組むのではなく、組織的な体制を整えたことで、各案件の課題に合わせた作家のキャスティングが可能となっています。

Cha-nomaの第1弾コンテンツとして、フラッシュモブを制作しましたので、紹介いたします。

さて、このようなプロジェクトを立ち上げた背景や経緯について触れますと、そもそものきっかけは、広告とPRを統合的に扱う必要性が高まってきたことに端を発しています。
一昨年くらいから、クライアント業務において話題化を狙ってプランニングするケースが増えてきているのを強く肌に感じ、それならば最初からPRも見据えた上でアイデア開発しようと考え、PR会社とご一緒させていただく機会が出てきました。

そのような流れで出会ったのがキーノート エスティーワンの方々でした。
幾つかの案件をご一緒して、広告とPRがセットになった業務がうまく回り出すにつれ、彼らのユニークネス「放送作家・構成作家と連携したアイデア開発」の意味や良さが分かってきました。
その頃に現在の部署が立ち上がり、(会社の武器となるような)新たなプロジェクトをいくつか興していこう、という機運が高まってきたため、会社と相談しながら「放送作家・構成作家のアイデアを起点に広告・PR施策を開発するプロジェクト」の設立に向けてこの1年弱、動いてきました。

振り返ってみると(他のプロジェクト立ち上げにも共通する)2つのポイントがありました。
1つは、中核メンバーの情熱です。当たり前かも知れませんが、これがないと成立しない場面・難局が出てくるものです。今回は、キーノート エスティーワンの山本社長の熱いビジョン「近い将来には本プロジェクトから新たなエンタメビジネスを興す!」に共鳴できたので、プロジェクト化実現まで推進することが出来ました。
(※補足ですが、放送作家・構成作家がカバーする領域は、映像コンテンツはもちろん、出版やイベントなど多様なエンタメコンテンツにまで拡がっており、Cha-nomaとしても取り組んでいく予定です)

もう1つは、前々回でも触れたことですが、現業とのシナジーです。「ハコだけあって業務がない」状態は避けたいところですし、その逆に具体的な実績があれば、そのプロジェクトが何をするのか分かりやすくなります。
現業で生まれつつあるプロジェクトの芽を選別して、うまく育てることで、自然と現業で活用できるプロジェクトになるものだと考えています。今回のケースもそれを意識して進めました。例えば、芽自体は(業界の流れに沿った形で)自然発生したものですし、またCha-nomaをリリースする前から社内説明を積極的にすることで第2弾、第3弾がなるべくスムーズに出るよう進行しています。

以上、今回はエージェンシーにおけるプロジェクト立ち上げの具体事例に触れてみました。次回も引き続き、このような具体事例について書いていきます。


【梅田 亮「33歳、現場プロデューサーが考えるエージェンシーの未来」バックナンバー】

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