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コラム

編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方

編集者の価値は「視点」にある

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林龍太郎(編集者・インタラクティブプランナー)

近年ネットメディアやSNSの登場、さらに“まとめブログ”や“NAVER まとめ”のようなメディアが登場して新しいタイプの編集者やライターが登場しています。

10年前まで編集者といえば、主に出版社に務めて雑誌や書籍の編集をする人など、ごくごく限られた人たちの職業でした。けれど、自分でメディアを持てるようになり、誰でも編集者やライターになることが可能になりました。いまや“紙”の経験が一切ない人も珍しくありません。

とはいえ、一方でこれだけネットメディアが増えると、記事内容があやふやだったり、コピペまがいのことが行われたり、いろいろな弊害が生まれていることも事実。一般記事なのか、PR記事なのかあいまいになり、「ステマ」のような問題も生まれています(もちろん、大多数は手間をかけて良質な記事を書かれているネットメディアなのですが)。

こうした状況で、編集者やライターとして活躍するには何が必要なのでしょうか。

先日、編集者同士であつまり「“編集”ってなんだろう」ということを、改めて考える機会がありました。(下北沢B&Bイベント「ネットニュースの現場から」

編集とは、情報を整理することなのか、あるいはネタを先駆けて紹介することなのか、面白い企画を考えることなのか……。つまるところ「編集とは視点である」という話になりました。SNSや“まとめブログ”などの登場は、単に誰でも発言・発信できるようになったというだけ。「なにが、なぜ、どう面白いのか」をキチンと読者に提示すること、そのための工夫を惜しまないこと、そういったことができるのが編集のプロなのだと。

地味なものであっても、きちんと視点をもって編集すれば、面白さは伝わるものなのです。たとえば編集者・都築響一さんの名著『TOKYO STYLE』は、それまで誰も見向きもしなかったような、本当にごくごくフツーの若者の部屋を写真つきで紹介していますが、彼の視点によって、いまにも生活臭が匂ってきそうな感じだったり、箱庭的な楽しさだったり、いろいろなことが誌面から伝わってきます。

そういった「視点」を記事に盛り込める人が、優れた編集者やライターになっていくのです。

誰もが編集者・ライターを名乗れる時代だからこそ、そういったプロの「視点の作り方」だったり「手間のかけ方」だったり、これまで書籍や雑誌で培われたノウハウを教えてくれる「編集・ライター養成講座」の存在はとても意義があると思います。出版社で働きたい、あるいはライターになりたい方はもちろん、すでにネットメディアで活躍されている方でも検討する価値は大いにあるでしょう。

林龍太郎(はやしりゅうたろう)
編集者・インタラクティブプランナー。成城大学卒。日立製作所に入社し、鉄道や新幹線の営業を担当。編集・ライター養成講座を受講し、卒後はマスコミ業界専門誌から編集キャリアをスタート。太田出版『QUICK JAPAN』編集部、フリー編集者を経て、08年博報堂入社。エンゲージメントクリエイティブ局所属。東京インタラクティブ・アド・アワード金賞、アドフェスト金賞、スパイクス アジア銀賞、広告電通賞最優秀賞、中国国際広告祭銀賞など。現在ネットニュースの立ち上げ準備中。

※林龍太郎さんが語る『編集者になる方法』は4月20日(土)14時~開催決定!
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