予算の10%を新しい試みに回すべき
この中で筆者が特に注目するのが、3の部分でコトラー教授が説明に使っていたたとえである。教授はソーシャルメディアなど新しいメディアがどんどん台頭しているときは「予算の10%を実験用に確保して新しい試みに回すべき」としている。またコトラー教授の予想ではこれからは顧客関与度の高い、ハイタッチメディアが有効なはずあり、したがって2030年にはマーケティング費用の50%がソーシャルメディアに回るということであった。いずれにせよ1960年代にマーケティングの教科書的な書物を書いた人物が現代においてもメディアの発達とその本質についてここまで言及できるということは頭の下がる思いである。コトラー教授のプレゼンは最近の著書にも触れていたが、今回カバーできなかった部分とともに機会があれば寄稿してみたいと思うのである。
最後になるが、筆者は会場でたまたまエレベーターから降りていらっしゃった教授に出くわし運営者の方より紹介いただき、直接話をすることができるという幸運に恵まれた。コトラー教授は筆者が実業を実践しながら教育の分野でもマーケティングと関わっていることに関心を持っていただいたようで”I see, you wear Two hats!”とおっしゃっていただいたのである、と自慢したくなるほど魅力的で先見性にあふれた方であった。ご縁があれば米国でお会いできる機会に恵まれればと考えている次第である。
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