「小さなReal」の時代?
ここ何年か、なんだか広告の仕事がこじんまりしてきた。と感じている人は多いと思う。デジタル・メディアの登場と細分化で、僕らは20世紀のように、同じ広告を世の中みんなが見ているという実感が持てなくなった。さらに、低成長のせいもあり、今まで以上の費用対効果を求められることが増えた。その結果、ターゲットを絞り込み、確実な効果を獲得しようという提案も増えてきた。デジタル・メディアはどんどん精緻なターゲッティングが可能になり、マス・マーケティングの仕事ではより細かく差別化ポジショニングを刻んで戦うようになってきた。「小さく」感じるのも当然かもしれない。僕ら自身がそうしているのだから。
マス広告自体が以前ほど効かなくなっているというのも、よく耳にする言葉だ。インターネット登場以前の世界は、企業と生活者の間にマス広告という魔法のフィルターがあり、同じような商品でも、小さな差でも、違う意味があるとマスメディアを通して伝えれば、新しい消費をする達成感をつくりだすことさえできた。しかし、生活者が膨大な情報に直接アクセスし、企業や商品のホントがまる見えになってしまう今、広告表現を通じた「意味の変換」が昔のようには効かなくなってしまったのだ。魔法のフィルターに穴があいてしまった今、問われているのは何か?それは、企業が「実際に」何をやるのか、だ。
いわば、What to Say の時代から、What to Actの時代になったのだ。企業のActionづくり、Factづくり、Realづくりをサポートする仕事が増えてきたと実感される読者の方も多いと思う。
もはや「小さなReal」の時代なのだろうか?
リーはでかくて温かかった。子どものような笑顔になっている僕。
「原田朋のCHIAT\DAY滞在記 ~リー・クロウの下で365日~」バックナンバー
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