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Sumallyの山本憲資さんに聞きに行く 「リスクテイクする覚悟がある人の仕事術(後編)

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守るべきビジョン

廣田:僕が、広告会社の文化の中で気になっていることに「手離れ問題」があるんです。広告会社って「手離れ」って言葉をすごい大事にしていて、あと「規模感」。でも、「手離れ」「規模感」って実はすごいヤバイ言葉だと思っています。発想の転換で、みんながやりたがらない、手離れが悪い仕事と、規模感が少し小さいものに飛び込んでいくと、実はいろんなヒントとか、チャンスが眠っているなと思っています。

山本:さっきのテレビCMの話でも、別にキー局でいきなり始める必要はなくて、まずはローカル局から始めてもいいんですよね。そこでうまく回るモデルを作ってスケールする、この流れがリーンです。

廣田:僕は山本さんが「手離れ」と「規模感」の文化の広告会社から離れて、ちゃんと盆栽を作るっていうところに興味があります。

山本:僕の場合には電通の後、コンデナストで編集者の仕事をした経験がすごく今に活きていると思います。クリエイティブと言われる世界の人たちと接する機会が多かったのですが、そこではより多くのお金を稼いでいることがエラいんじゃなくて、面白いことをやるのが偉いとされる世界で、それがすごい面白くて。

自分のルールに大きな影響を受けました。「面白い」と「売れる」がリンクしている部分もありますが、「あの人、こんな面白いこと考えられるんだ」っていうことが評価される。非常に健全な環境というか、人間らしい環境というか。そういう経験があったから、「Sumally」を立ち上げてからも、当初のビジョンで勝負をしようと覚悟を守れています。

たとえ、サービスのスタイルを変えて広告が入るようにすれば、明日から毎月2000万円入ってきますということがあっても、それがサービスの成長を阻害するようなことであれば、僕の給料が2倍になろうが3倍になろうがやらない。そういう判断を当然のようにできるようになったのは、そういった世界で揉んでもらったからだな、と。

廣田:広告会社でも「何のためにコミュニケーションの仕事をしているのか」というビジョンが描けなくなってくると規模感と手離れによって、とりあえずの利益に走りがちですけど。そもそも広告会社に入ろうと思ったのは、誰かを喜ばせたいとか、社会を明るくしたいというビジョンがあったはずですよね。

次ページに続く 「変化の中で、揺れる開国派と鎖国派」(3/3)

【「電通 廣田さんの対談」連載バックナンバー】
■takram design engineeringの田川欣哉さんに聞きに行く
「自分で全部やってみたい人の仕事術」(前編)
「自分で全部やってみたい人の仕事術」(後編)
■Sumallyの山本憲資さんに聞きに行く
「リスクテイクする覚悟がある人の仕事術(前編)
「リスクテイクする覚悟がある人の仕事術(後編)
■内沼晋太郎さんに聞きに行く
・「マージナルな場に飛び出す人の仕事術」(前編)
・「マージナルな場に飛び出す人の仕事術」(後編)※3月更新予定

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