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コラム

アドタイ・デイズ 2014 事務局

アドタイデイズレポート(アドビ システムズ、カタリナ マーケティング ジャパン、トビー・テクノロジー)

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目次

体験価値を高める、データドリブン コンテンツマーケティング(DDCM)

<登壇者>

  • アドビ システムズ マーケティングマネージャー 国和 徳之 氏

デジタルテクノロジーの発達やスマートフォンをはじめとするデバイスの浸透により、顧客行動が多様化・複雑化する昨今、企業コミュニケーションにおいて「オウンドメディア」が果たす役割に、ますます注目が集まっている。

企業が持つ情報・技術や伝えたいメッセージを、人々にとって役立つ「コンテンツ」へと“変換”する。そしてそれを、オウンドメディアを軸に、ペイド、アーンドと多様なメディアを組み合わせながら提供することで、豊かな顧客体験をつくり出し、企業やブランドに対する信頼へとつなげていく。

アドビ システムズ 国和 徳之 氏

そんな「コンテンツマーケティング」への関心が高まっている現状を踏まえ、アドビ システムズ マーケティングマネージャーの国和徳之氏は、「米国で提唱され始めたばかりのデータドリブン コンテンツマーケティング(DDCM)の視点が効果的」と指摘する。

DDCMとは、データとコンテンツを両輪に進めるマーケティング手法のことで、その名の通り、企業が取得し得る顧客データを効果的に活用して、具体的な施策を企画・実施・最適化する。

顧客体験価値を高める上で最も重要なのは、顧客が欲しているものを知ること–DDCMではこの考えに基づき、まずターゲットを仮定して、コンテンツをつくる。そうしてできたコンテンツをオウンドメディアで公開し、ユーザーの興味関心・反応をデータとして取得・把握する。そのデータを用いて当初の仮説を検証し、その結果を元に次なるコンテンツを作り出す。作っては検証し、検証しては作りを繰り返し、どんどんコンテンツのクオリティを高めていこうというのが、DDCMの目指すマーケティングのあり方だ。

A/Bテストのように、キャンペーンを複数パターン実施して、どの施策が売り上げにつながるかテストすることも重要だと国和氏。米国の調査では、テストをした場合としなかった場合では、コンバージョン率に21%も差が出たという。

データを収集する利点は他にもある。コンテンツを求めてオウンドメディアを訪れた人の行動データを集めれば集めるほど顧客像が明確になり、求めているものもはっきり見えてくる。それを深掘りしてコンテンツを作ったり、オウンドメディアを訪れてくれない顧客を対象にした全く別のコンテンツを作ってみたりするのだ。

アドビ自身の取り組みとしては、①全く興味を持っていない新規顧客向け、②少し興味を持っている潜在顧客向け、③購入を検討している見込顧客向けの3段階に分け、カスタマージャーニーに沿ったコンテンツ設計を行っている。

そうすることで、購買プロセスのどの段階にいる顧客に、どんなコンテンツが効くのかといった知見が蓄積され、次の施策に生かすことができるのだ。

とは言え、さまざまな顧客セグメント、カスタマージャーニーの段階、接触するチャネルといった要素の掛け合わせに応じた膨大なコンテンツを用意し、各種チャネルにすばやく展開するのは容易なことではない。例えば新規顧客へ訴求する動画を考えても、PCサイト、モバイルサイト、ソーシャルと、メディアによって掲載すべき画像の大きさや解像度、転送形式が異なる。

こうした煩雑さを気にすることなく、タイムリーに展開できることがマーケターにとっての理想であろう。

そこで、「DDCMを効率よく回していくには、しっかりとした仕組みが必要」と国和氏。アドビが提供するプラットフォーム「Adobe Marketing Cloud」では、電子メールや販売データ、CRMなどあらゆるマーケティングチャネルを通じた顧客分析から、ソーシャルメディアの管理・運営、広告投資の最適化、キャンペーンの管理、各施策のテストやターゲティング、膨大なコンテンツを効率的に配信するエクスペリエンス管理まで、DDCMに必要な業務を一貫してサポート。デジタル時代における効率的・効果的なマーケティングの実現を支援している。

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