名引 佑季(株式会社パラドックス・クリエイティブ所属 ディレクター兼コピーライター)
ほんとはインディ・ジョーンズになりたかった。
「おかあさん、おれ、インディ・ジョーンズになるねんっ!」
そんなアホな夢を抱いた小学生の男の子がいました。
学校の図書館でまんがの日本の歴史や人物史、歴史小説を読みあさり、
高校では先生がひくほど世界史を勉強。大学に進学し、西洋史を学び始めました。
何百億、何千億もの人生が織りなす歴史は、どんな物語より面白い!
10年来の夢を胸に、図書館で様々な文献を読みあさる大学生活。
そして、ヒトラーの台頭につながるワイマール期前後の
ドイツ情勢に関する論文を提出し、大学を卒業しました。
インディ・ジョーンズを夢見た男は、
ついにコピーライターとしての第一歩を踏み出したのです。
……あれっ、どこで掛け違った僕の人生。
どーも、パラドックス・クリエイティブの名引 佑季です。考古学者でも冒険家でもなく、ディレクター兼コピーライターをしています。直接クライアントと向き合い、採用系ツールを中心に会社案内や大学パンフレット、コーポレイトサイト、雑誌広告、企業スローガン、ロゴ、名刺、理念浸透などなど、何でもござれです。
広告業界を志望する方々に向けてということなので、少しでも何か役立つことが言えたらと思います。あとはせっかくいただいた機会なので、僕の仕事観や日ごろ思うことを“本音で、本心で、本質的に”を意識して伝えることで、自分やパラドックスをアピールしていきます。よろしくお願いいたします。
諦めないひとは、強い。
宣伝会議さんを通して、「コピーライターになるにはどうしたらいいですか?」「どういうひとが向いていますか?」という質問に答える機会があるのですが、僕は「諦めないひと」と答えています。いくら講座で金の鉛筆をもらおうが、公募で賞を獲ろうが、そこで満足するひとはプロになれない。コピーは仕事、コピーライターは職業。結局プロになるのを諦めなかったひとたちがコピーライターなのです。
何年もフリーターをしていて、
名古屋から東京の養成講座に通う。
30歳を目の前に1年間のリミットを決めて
就職活動のために上京し、
コピーライターになったヤツがいる。
新卒時に上手くいかず印刷会社の営業になったが
諦めずに転職活動をし続けて
コピーライターになったヤツがいる。
他にも、恵まれない環境から這い上がって第一線で活躍している方を何人も知っています。周りを見ても、不思議とがんばってる人は受賞したり、大手代理店や有名プロダクションにステップアップしたりしています。
僕自身、新卒でコピーライターになれたものの、その会社では非常に業務領域が狭く、得られる経験やスキルに限界がありました。「転職しようにも未経験扱い。ネタも全くないし、もう20代後半だし、やべーな」。そこでプライベートは公募やクリエイターとの交流に捧げました。また、当時は平日開催だった専門コース(中村禎クラス)に大阪から通いました。『退社⇒夜行バス⇒講座⇒夜行バス⇒そのまま出社』という感じの半年間。もちろん、仕事はその分ひと並み以上にやり、上司と交渉・調整して通っていました。
念がこもっていたのでしょうか。社内外で幾つか受賞することができ、交流も広がり、新卒時はエントリーシートで敗退だったパラドックス・クリエイティブに転職できました。
前の会社でも今の会社でも、折れそうになるときはたくさんありました(今もだけど)。ストレスでじんましんになったり、胃に穴が空いたり、一週間帰れず風呂も入れずだったり……(こんな苦労はしれたものだと思いますが)。ぜーんぶ成長の肥やしになっている。まだまだまだまだまだだけど、成長の実感を得られたり、実績が増えたりしている。諦めなければ前進できるって知っているからこそ、困難に立ち向かえる。
「インディ・ジョーンズになりたい」という夢は、僕の心の奥底でまだ生きています。たくさん稼いで50歳までにリタイアし、歴史や語学を勉強して人類の遺産を見てまわりたい。世界中を冒険したい。少年の頃の夢を同じまなざしで追い続けたい。
別にバカにされても、無謀でも、浅はかでも、僕みたいに文章が下手でもいいんじゃねーかと。結局、自分の人生に、どこまで素直に向き合えるかだと思う。
生意気言ってすいません。
名引 佑季(ナビキ ユウキ)
株式会社パラドックス・クリエイティブ所属(ディレクター兼コピーライター)
1982年生まれ/大阪府出身/関西学院大学卒業/宣伝会議コピーライター養成講座(総合コース、専門コース中村禎クラス修了) 【受賞歴】2014日本BtoB広告賞(経済産業大臣賞)、FCC賞(新人賞)、CCN賞(GF部門・特別審査員賞)、第51回・第47回宣伝会議賞(協賛企業賞)、映画ノルウェイの森 コトバの森キャンペーン(大賞)、第7回ピンクリボンデザイン大賞(優秀賞)など
『コピーライター養成講座』
一流を育てる実践型カリキュラム
多彩な修了生を輩出している本講座。広告クリエイティブだけでなく、インタラクティブ領域のコミュニケーション、マーケティングやメディアクリエイティブなど、さまざまな視点からコミュニケーションを構築する能力を養い、次世代のクリエイターを育てます。
「コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常」バックナンバー
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- コピーライター養成講座の受講生が制作に参加したシェアサイクル車体広告が名古屋で登場(2023/4/18)
- 20年前に「コピーライター養成講座」で共に学んだ3人が今思うこと(2022/8/09)
- 勝手に作った1枚のポスターから、クリエイティブキャリアが始まった【後編】(2021/7/08)
- 勝手に作った1枚のポスターから、クリエイティブキャリアが始まった【前編】(2021/7/07)
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