「Oracle Marketing Cloud」で顧客との関係が深まった――マガシーク、ルネサス エレクトロニクスのOne to Oneマーケティング

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メールマガジンの効果が改善 One to Oneの取り組みが深化

日本オラクルの「Oracle Marketing Cloud」日本ラウンチイベント(8月19日開催)では、「Oracle Marketing Cloud」を導入し、すでに実績をあげている企業による講演も行われた。登壇したのはマガシーク代表取締役社長の井上直也氏と、ルネサス エレクトロニクス グローバル・セールス・マーケティング本部マーケティングコミュニケーション統括部eビジネス推進部部長の関口昭如氏の2名。

井上氏のマガシークは2000年創業。当時、伊藤忠に在籍していた井上氏が社内の新事業としてスタートした後、事業成長に伴い、2003年に法人化し現在に至っている。

ファッション誌に掲載された商品は店頭で完売になるケースも多い。マガシークはこのニーズに着目し「雑誌で見た商品を買える」という事業コンセプトを打ち立て、ファッションアイテムのEコマース事業で成長してきた企業だ。

現在、約200万人の会員を抱え、売上規模は112億円(2013年3月期)。2013年にはNTTドコモと資本提携をすることで、ドコモのスマートフォン向けポータルサイト「dマーケット」内に「d fashion」を開設、さらなる新規会員の獲得を目指している。

しかし、サービス開始当初の2000年と比べると、ファッションEコマース市場への参入企業も増え、競争も厳しくなっている。またファッション誌が消費に対して与える影響も、リーマン・ショック以降、かつての勢いはなくなりつつあるのが現状だ。

さらなるビジネス拡大を図るには、マガシークならではの独自性・ブランド力を打ち出す必要がでてきたことから、「自分のためのセレクトショップ」のコンセプトのもと2012年からサイトの大幅リニューアルを図るなど、ブランディングの刷新や、顧客とのエンゲージメント強化に力を入れてきた。

マガシークの井上社長

マガシークの井上社長。マガシークではBtoCのファッションコマース事業だけでなく、「マガシーク」を運営する中で蓄積してきたECソリューションを、アパレルメーカーを始めとした様々な事業者に対して提供するBtoB事業も行っている。

具体的な施策としては、メールマガジンを活用したOne to Oneマーケティングの実践を強化することにした。販売する商品のコモディティ化や送料の無料化、またポイント提供などの顧客囲い込みの様々なサービスが当たり前になる中で、さらにその先を行く「顧客一人一人に最適なコミュニケーション施策」が必要不可欠と考えたためだという。

ただ、スタート当時から高い効果を発揮し売上拡大に大きく貢献していたメールマガジンも、会員数の拡大に伴い、2010年頃から顧客に合わせた事細かなフォローができなくなり、効果は徐々に下がってしまっていた。

そこで、このタイミングで再度メールによる個別マーケティング活動に梃入れすることにした。社内からは「メールよりも、SNSなど新しいツールの活用に力を入れるべきではないか」との意見もあったが、井上氏はまだまだメールをベースにやれる施策があると感じていた。

「One to Oneマーケティングを実践したいという思いは、2001年頃から抱えていました。長年、適切なツールを探していましたが、コストや導入の手間で満足のいくものがなく、結局は社員が手作業で運用していたのです」と井上氏は話す。

そこで、改めてメールを活用したOne to Oneマーケティングに取り組むために、この理想の実現を支援してくれるツール選びを本格的にスタートさせたという。

そういった中で出会ったのが日本オラクルの「Oracle Responsys」だ。「Oracle Responsys」を選択した理由を井上氏は「初期費用が抑えられているというコスト面だけでなく、すでに使用しているシステムとの連携面や、導入のしやすさが大きな魅力でした。」と説明する。

少ないリソースの中で、約3カ月という短い期間で導入することができたので、スピーディにOne to Oneマーケティングを開始することができたという。

一度カートに入れながら購入に至らなかった顧客に対して、商品が残り1点になったらお知らせする。「お気に入り」に登録したまま一定期間を経たり、その商品の在庫が減ったり値下がりしたときにお知らせするなどの施策を開始したことで、メールを起点としたサイト流入が2倍に増加。

導入前に掲げていた、200万人を超える会員数の達成と112億円の売り上げを実現した。「どれも実際に行ったことは基本的なこと。やれたらいいと感じていながら、事業規模が拡大する中でなかなか実施には至っていなかった。今も様々なシナリオを作りながらベストプラクティスを模索しています」と井上氏は話す。

また、購入者に対しても、数日後にアフターケアのメールを送り、そこで反応があれば、さらに数日後にメールでフォローするなど、顧客とブランドとのエンゲージメント強化にも活用。メールマガジン読者の同サイトでの再購入率も、非読者と比較して1.5倍と伸びており、2013年度はリピーター率も15%アップしたという。

井上氏は「導入1年での結果なので、さらに伸びると期待しています。当初の目標はメルマガ経由の売り上げを10%に引き上げることでしたが、今となっては10%という目標は低かったと思うほどです。今後は、異業種やリアル店舗を持つショップなどでデータベースを統合してOne to Oneマーケティングを仕掛け、さらに顧客本位の姿勢でマガシークを発展させていきたいですね」と話した。

次ページ 「Oracle Eloquaが拓く データドリブンビジネスの未来」に続く

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