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コラム

米国マーケティング業界、トップランナーに聞く。

米国の人気航空会社、JetBlueのデジタルxソーシャル戦略

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企業やブランドは、ソーシャルメディアにおいてはただのゲストに過ぎない。

結城:日本ではここ3〜5年の間にブランドと顧客のボンドを築くためにソーシャルマーケティングを重視する企業が増えてきていますが、それらの企業の人々に何かアドバイスをいただけますか?

ローリー:私が覚えておいていただきたいことは「ブランドというのは、ソーシャルメディアにおいてはただのゲストでしかない。」ということです。ソーシャルメディアは人と人とのつながりで構成されていますが、それはマーケティングに活用し、ブランド理解やブランドファンを醸成するためだけの道具ではありません。

人々がエンゲージし、ネットワークしていく場であるというソーシャルメディア本来の目的を忘れずに、そのつながりやコミュニティに敬意を表しつつ、企業はお客さまと同じ目線で会話に参加させていただく。そこで初めてお客さまの生の声をマーケティングする権利を得るわけなのです。このことを企業やブランドが忘れなければ、ソーシャルメディア・マーケティングはきっと成功するでしょう。

2013年2月にJetblueが実施したTwitter連動キャンペーンでは、ニューヨーク市内の10カ所に特大テディベアを配置。その場所を見つけて秘密の言葉をつぶやくと、オリジナルのテディベアとペアチケットを入手できるというもの。ニューヨーク以外の75の都市でもTwitter上の写真コンテストを実施した。

結城:コア・バリューである「Humanity(人間性)」というのはどこから生まれたのですか? また、JetBlueでは顧客との会話から得られる感情面のベネフィットは、機能的な価値提供よりも大切だと思っていますか?

ローリー:「Humanity」というコア・アイデアは弊社の社内文化の中核であり、同時に我々の目標でもあります。そしてお客さまとのつながりを大切にすることによって、いち航空会社の名前というだけではなく、JetBlueに親しみや愛着を感じてもらえると信じています。業務的な会話ではなく、独創的かつ自発的な会話を交わすことで、友だちと会話しているような気分になっていただけたらと思っています。

そのことから得られる感情のつながりが、ブランド・ロイヤリティ構築のきっかけになるのではないでしょうか。もしお客さまが「JetBlueは、数多くいる旅客の一人ではなく、価値ある一人のお客さまとして接してくれている」と感じたなら、またJetBlueを選んでいただけるのではと信じています。

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